あけましておめでとうございます。
といっても少し遅いかな?
年末年始恒例のドタバタ騒動で、そのうえ今年は新年1月1日の零時からお酒を搾る、それも恐らく日本一の精米歩合の獺祭磨き二割三分を、ということで31日の年末から準備もしなくちゃいけなかったし、そのうえ新聞社の方が取材にこられていたり、さらにそのうえその目の前で酒の搾り機がトラブったり、大変な騒ぎでしたよ。
そうそう、そのお酒をある国の超・超大物VIPの新年祝賀の会にご注文いただいて、何とか正月休みの税関を通していただいてお届けしたり、いろいろありました。
だけど、何より嬉しかったのはお客様から概ね満足いただいたこと。
お酒の出来も、自分でもこれならという仕上がりでしたし、何より、元旦に直接取りに来られた方も何人かいらっしゃったのですが、試飲して満足していただいているのがわかったことです。
酒造にとって一番怖いのはお客様に最初に飲んでいただくときで、飲み込んだあとお客様がどんな顔をされるか、心配で心配で、満足していただくとお顔でわかりますから、いや本当に嬉しい。
ぜひ、来年も正月にお近くに来られる機会のある方や、お近くに居られる方は寄ってください。
前の年最後に搾った新酒や、もちろんオッターフェストビール、それに技有りの、大吟醸用の山田錦を50%以下に精米するときにでる砕米で造った甘酒(大事な地球環境。せっかく作った山田錦ですから最後まで使いきらなくちゃ!)、飲んでいただきますので。
最後に、少し酒造りの話しをしますと、年間で最も気温の低い寒の時期を迎えまして、大吟醸造りが連続する時期になっています。なぜこの時期が適しているかといいますと、寒の大気と水は人工的には出来ないからです。冷たい空気はエアコンで、冷たい水は冷水機で、出来ますけれど、寒の時期のように雑菌の少ない、しかも自然の微量成分は適当に含む空気と水は濾過やエアフィルターと冷凍機だけでは出来ないからです。
この時期になりますと、夜中に何度も、醪や麹が気になって目が覚めます。私だけでなく、担当者も気になるようで夜中麹室やタンクの前で鉢合わせすることもあります。
よく酒屋の宣伝文句で「深夜まで続く麹室の作業」などという文句がありますが、私に限っていえばどんな酒になるのか楽しいからみているのが半分で、趣味が仕事になって、それで御代を頂戴しているようなわけで、本当に感謝しています。
何はともあれ今年も、少しでも良いお酒を納得できる価格で造りたいと思います。
一升・一万円の「正月一番乗り」も価格以上の酒と自負していますが、
「寒造り早槽」(1.8L・3000円、720ml・1500円)もいい仕上がりですよ。
ぜひ、試してみて、またお近くまで御出での節はぜひ酒造を見にきてください。
今年も宜しくお願いします。