読売新聞8/18の朝刊からリレー連載の「時代の証言者」コーナーで私個人のこれまでの恥多き人生と、これも失敗続きの経営者人生が28回連載で掲載が始まりました。最初の第一回はニューヨークの酒蔵の話から始めて「超」かっこいいのですが、しかし、(このメールを読まれているタイミングですと、すでに二回目以降も掲載されているでしょうからご存知の通り)、それ以降は「超」かっこ悪い!!のです。
この周囲に翻弄されながら、勉強やスポーツに一生懸命努力したとはとても言えない、決してかっこいいとは言えそうにない、私の、(何度も言いますが)かっこ悪い子供時代から青年時代が今の私の基礎になったわけですから・・・・・まあ、機会があれば読売新聞を手にとってみてやってください。(インタビューに答えながら、「こんなに全てあからさまに話してしまうと企業イメージにかかわるかな?」と、頭をよぎりました)
そして、これと軌を一にするように先月から弘兼憲史先生作の漫画「獺祭の挑戦」が刊行されました。アマゾンのランキングで見たら総合85位。海外からの現地出版依頼も数件来ているようです。こちらは掛け値なしに面白い。
あの「会長 島耕作」の作者が描く獺祭の話です。こちらは私が酒蔵を継いでからの話ですから、失敗続きの経営者人生から始まっています。さすが弘兼先生、そのあたりの勘の鋭さは大したものです。自分でも忘れていたその場面あの場面における私や周囲の関係者の感情の揺れや心のひだをすくい上げて、まるでその場にいたかのように描かれています。
こちらもぜひ読んでやってください。
昔は他の酒蔵が見学に来た時など、良く、「うちを見れば自信を持てますよ」「こんな山の中で、山口県は酒どころでもなくて、『山口の酒』の県外からの評価は最低だったのに」「しかもその山口県の中でも負け組で、普通酒しか造ってない僅か7百石の酒蔵だったのに」「今は県外の都市市場に活路を見出して何とか生き延びている」「だから、こんな悪条件の酒蔵でもやっていけるんだから皆さん大丈夫ですよ」と、言ってました。
そんな失敗だらけの、でも、「頑張らないけどあきらめない」、その時はそう言うしか手がなかった、そんな恥多き経営者人生。ちょっと覗いてみてください。