▼蔵元日記(遠心分離機その3のはずが魅力的な女性の話)
遠心分離機の対策部品の到着が17日以降にずれ込んじゃいましたので(気を持たせてすいません)、最近であった魅力的な女性たちのお話を。
地域交流協会の西林さんから「ロンドンで回転寿司を4店舗開いているイギリス人の女性が広島にくるけど一晩一緒に飲みませんか」っていうお誘いを受けて、広島にやってきました。そういえば2・3日前の中国新聞に記事が出てて、高くて怖くて入れない印象を持たれていた海外の日本料理店を、明朗会計と回転寿司の持つイベント性とで成功させた32歳のイギリス人女性キャロラインxネットさんの話が出てましたけどその方だそうです。
こりゃ、行くっきゃないですよね。
特にこだわりの酒として生きていこうとすれば、地元だけで生きていけず、市場を全国に広く求めざるを得ないという経験をし、その意味では海外市場まで薄く広く見ておかなければ将来は私どものような酒蔵は存続し得ないと考えている当方としては。
目指す居酒屋「ろいず」の二階についてドアをあけると、西林さん開口一番「彼女は今、奈良にいるんで今日はだめなんだよ。ごめん」というお話。あとから到着した、本日の会の仕掛け人である中国新聞の酒文化部記者(?)石田さんの話によると、彼女は日本に留学経験もあり、日本の地理に詳しいはずだったんだけど、石田さんが奈良の地酒「梅の宿」の英人蔵人フィリップ・ハーパーさんの話をしたため奈良と広島を混同し、「駅についたら電話してね」と伝えてあった石田さんの携帯電話の番号に入ってきた彼女の電話は奈良駅からだったという、うそのようなほんとの話。
残念。だけど、その日集まっていたメンバーはマツダ財団の粟屋さん、同じくマツダの高橋さん、(二人とも美人の女性だよ)、とか、一流企業の社員の席を捨ててフランスで日本酒を売る店を出店するべく計画中の方(OKはいただいてないんで名前は一応伏せさせてください)とか魅力的なメンバーばかりで、西林さん(ろいずの社長でもありますx飲み物は小売価格そのままというお客にとっては夢のような店を開店準備中です)の隠し酒を飲みながら、それはそれで大いに盛り上がったんですが、粟屋さんが明日はTOEICの試験(あれなんで990点満点なんですか。だけど美人が先に退席するのは残念)があるとかで退席。
入れ替わりに某自治体に勤める北村さんが乱入してきたころから、アルコールの回りとともにそれまで日欧比較文化論まで出てた話題も完全におっさんの酒飲みの話題になっていきました。(もっとも、主に私が話のレベルを低下させたんですが。高橋さん、酒飲みのおっさんたちのお守りをさせてごめんなさい)そのうち「ラーメンと餃子でビールを飲みたい」と叫びだした私の声に(これで本当に酒蔵の主なんだろうか?)、某自治体百万都市の総務を一手に引き受ける総務課長として、ここで「餃子はやっぱり宇都宮に限る」なんて言わせない、百万都市が四十万都市に負けてはいけないと、使命感に燃えるエリート課長の顔に戻った北村さんは、すばやくわれわれを広島薬硯掘の奥深くいざなったのです(このあたり椎名誠調のつもりなんですが)。
ところが行って見たらすでにその日は売り切れで閉店。ほかにも5・6人、前で残念がってましたからうまい店なんでしょうね。北村さん今度店名教えてください。
で、第二候補の店で結局大いに盛り上がって、気がついたら2時。「我々中年にも、あれだけ飲んで、まだラーメン食って騒げるだけ活力が残っていたとは・・・」と北村さんをしてびっくりさせたほど。私はその日ホテルが取れてなかったんでみんなに紹介してもらったカプセルホテルに泊まって次の日の早朝帰ったんですが、結構、最近のカプセルホテルは快適でした。
それよりびっくりしたのは翌朝チェックアウトするお客さんがさわやかな姿で、二日酔いばっかりだろうと思っていた当方の予想を覆すものでした。
やっぱりみんな仕事人間なんですね。
それよりもっとびっくりしたのはあの高橋女史。あの後2時から帰って少し休んで酔いを覚ましてそのまま徹夜の仕事に突入したとのこと。これって昔のモーレツサラリーマンじゃないですか。最近、男はこういうタイプが少なくなっちゃいましたけど。そのうちニューヨークに帰る(!)っておっしゃってましたけど、日本経済のために帰らないでください。それで時々われわれおっさんの相手もしてやってください。ああ、本音が出ちゃった。
▼遠心分離機(その3)の後日談
結局部品は15日に到着し、即日の組み付け後、その日のテストは無事回ったんですが、次の日16日の仕込15号(50%精白1200kg仕込純米吟醸)の上槽本試験ではまたもや過振動で途中リタイヤ。しかも、翌日飛んできたメーカーの野方所長の目の前ではなんのストレスもなしにまわって見せてくれるというむらっけ振り。
だけど、すでに搾り方の裏技の使い方も思いついて、この21日の火曜日には上槽本試験の再試験を行いますので期待してください。只、初期にトラブルが頻発したため、獺祭50のもろみはいつでも大丈夫なんですが、磨き二割三分のもろみは4本しかそのタイミングで仕込んでなかったので全部間に合わず、従来の搾り機で搾らざるを得なくなりました。結局年内の発売が50の方は良いのですが二割三分の遠心分離で搾ったタイプは間に合わなくなってしまいました。申し訳ありません。結局元旦に搾る「正月一番乗り」が二割三分の遠心分離タイプのデビュー戦になります。
▼旭酒造の商品紹介
言い訳にならないんですが、今から直近に搾る予定の二割三分の紹介をさせてください。
獺祭 磨き二割三分 「正月一番乗り」 純米大吟醸23%精米山田錦使用
アルコール度数16.3度・日本酒度+5
1800ml−10,000円
720ml− 5,000円
元旦の零時から搾った酒を即日宅急便で発送します。21世紀最初の磨き二割三分です。(今年の「正月一番乗り」は全て遠心分離で搾ります)
数は限りがありますので、予約されることをお勧めします。
なお、元旦当日午後1時からお渡しできると思いますので、とりにこられた方には20世紀最後に私どもの酒蔵で搾った純米吟醸のしぼりたてやオッターフェストビール、山田錦で作った甘酒などを振舞わせていただきます。(但し、社員は瓶詰と上槽にかかりきりになりますので、セルフサービスですが)昨年はこれが気に入って、翌々日、今度は舅御夫婦と一緒にこられたお嫁さん(勿論忘れずにご主人とお子様も連れて)もいらっしゃいました。
あまり大きな声でいえませんが、振舞い酒だけ目的のお客様も歓迎します。