最近の雑誌の中で雑誌ブルータスの元編集長(だったかな?)の由田晃一さんが、今流行のツープライス・スーツ・ショップで背広を買った話を書いています。
この手の店が最近増えているそうです。つまり一着1万9千円と2万8千円の二つの価格だけのスーツしかなくて、その代わり価格と比べると非常に品質が優れているということです。(すいません聞きかじりで。行った事は無いんです。山口には無いもんで)
で、その店で由田晃一さんは2万8千円の背広を買って、イタリア製のうん十万のセミオーダーにも匹敵すると、非常に満足されているんですが、面白いのは靴だけは満足できず4万7千円をはたいてイタリア製の靴を買った話を書いておられます。
この辺りの価格の感覚を見ると私の許容額の三倍ぐらいで、同列に話をするのが気が引けるんですが、私も同じことをよく感じます。
私に許される価格の感覚で言うとユニクロがあります。新聞等で報道されてる通り、低価格と高品質で洋服市場を席巻している洋服屋さんです。近年私どもの会社の作業服もユニクロなんですが、私個人の普段着もユニクロが多いんです。(最近なんざ出張の服は大抵ユニクロのジャケット一着7700円也です)
そうすると靴を除いて上から下まで服の価格を全部足しても一万円以下で済んでいることが多いんです
ところが、最近年とともに昔のように一足千円なりのスニーカーをはくと、立ち姿の姿勢の悪いことを妻に指摘されることが増え、足の疲れを自分自身感じることも多く、靴だけはもう少しましな物を履くようになりました。つまり、靴一足の金額のほうがパンツやシャツ・セーターを足した金額より高いものになっているんです。
実を言うと、最近よく同じ種類のことを酒に関して話しています。
月曜から木曜まではお仕事も忙しくて、11時に帰って早朝会議があるから6時には家を出なければいけない貴方、最近スーパーに行けば6缶パックで6百円そこそこで売っている発泡酒(ほんとにビールと変わらないぐらいの品質です)を飲んで早く寝ていただいて、必然的に節約になったお金で、週末は美味しい日本酒(結果的に少し高価)を楽しんでいただきたい。
何も服装が上から下まで同じ程度のものを着なくても良いように、お酒だって毎日同ランクのものを飲まなくていい。
ただ、単純に疲れを取るためほろっと酔いたい時もあるでしょう。そんなときはそんなお酒でいいんじゃないの。
何もそんな時に「獺祭 磨き 二割三分」を飲まなくてもいいと思いますよ。(ちなみにこの獺祭磨き二割三分は今月号の雑誌日経OFFによりますと『特別な時に、大切な人と飲む、極上のお酒』だそうです。エヘヘ、私どもがこのお酒にこうあって欲しいと思っている個性をずばり評していただいたんですが照れちゃいますね。センデン、センデン、なんせこのメルマガは蔵元のメルマガの癖にぜんぜん酒の宣伝になってないと怒る方がいるもんで)
えっと、また話が横に行ってますが、つまり酒にもTPOがあるということですね。
もっともどんなときでもその人の自我が純米大吟にもドンペリにもロマネコンティにも負けない、勿論それに耐える経済力も有るよ、なんて人がほんの僅かですけどいて、それはそれで凄い事ですけど。(北野たけしなんかコメディアンの枠を踏み出した魅力を感じるのはその辺りが彼の個性の中にあるんでしょうね)
また話が横に行ってますが、以上のような話をすることが多いんです。
お客様にとっても一週間トータルで見たら、美味しい酒も飲めて、しかもお酒に消費する全体の金額も低く抑えられるということで、最近の価格破壊も良いもんですよね。
欲を言えばここに発泡酒だけじゃなくて、価格も安くてそこそこの品質の純米酒が有ればなおいいんでしょうが。
その辺りの夢物語を次回のメルマガに書きたいと思いますので期待してやってください。