田中真紀子外相の辞任問題に始まって、鈴木宗男疑惑、加藤辞任問題に辻元辞任と社会党全体を巻き込んだ公設秘書疑惑、もう一度もどって真紀子公設秘書疑惑と出るわ出るわの政界疑惑です。

余談ですけど,あんなに政治家のスキャンダルばかり出てきてどうするんだろう。

地方行政を見ていると良くわかるんですけど,基本的には有権者が望む以上のレベルには決して政治家は行かない。私なんかも前は町会議員にならんかなんて良く声を掛けられました。自分で言うのもなんですが、いかにも地方議員タイプじゃないと思う私のような者でも隠れた真価が分かっていただけるのかと思って内心得意になっていると、これがガックリくるのがその推奨の言葉。

「おまえもええ加減に儲けにならん酒蔵の社長なんてやめて町会議員になって地域のために尽くしてくれ(翻訳:俺んちの前の道を早く舗装しろ)」という言葉。

儲けにならんというところがあたっているだけにガックリ。「人生金だけじゃないよ。銭金だけで酒蔵やってんじゃないぞ。今に見ておれ」なんぞと思いながら下を向いておりました。

ま,貧乏酒蔵の話はさておきまして,最近詳しいんですよ,この手のニュースに。

なぜかというと,外務省の問題がおき始めた頃と時を同じくして、私が麹を担当し始めたんです。何も麹を観察していると政界のニュースがわかるわけじゃないんですが、作業の時間にそのわけがあるんです。ちょうど午後10時から11時テレビのニュースショーの時間帯に麹の作業が入るんです。

この作業は仲仕事といって一定の温度に達した麹米を手入れをして麹米の米粒の表面に付いた水分を飛ばしてやる事により麹米の表面に麹菌の菌糸のまわるのを抑える。結果として吟醸に最適といわれる「突きハゼ麹」(麹菌が米の表面でなく内部に食い込んだ麹)を作るためにはサボれない作業です。作業そのものは30分ですむぐらいの作業ですが、一定の温度のくるタイミングを逃してしまうと麹が台無しになってしまい,しかもその温度に麹が自分の力で自然に到達するその到達時間も麹の出来にとって問題になるという厄介な代物です。

これが,実際の担当者ならば、予定時間に目標温度に到達するようそれまでの「引込み」「手入れ」「種切り」「切り盛り」といった各作業をできるだけコントロールし、後は時間を決めてエイヤでやってあとは寝てしまうなり何なりすれば良いんですが、麹の作業マニュアルを作ろうという大それたことを考えている私にはそれはできない。さらにその上に到達過程の麹の時系列の変化を観察するという作業が入って、結局テレビを見るぐらいしかできないんです。

で、結果としてニュースに詳しくなるというわけです。

同じように大体午前2時ぐらいと翌朝の5時ぐらいにも手入れをする必要があるものですから深夜映画も良く見ています。先日も「極道の妻たち」なんか見ちゃって、イヤァ高嶋礼子ってきれいですね。また大好きなのにいつも眠ってしまって見れなかったあの「全国お父さん大好き番組」のトゥナイト2も見る事ができて大満足。この番組に小説宝石に蔵元紀行を連載していて私どももお世話になった勝谷さんがレギュラーコメンテーターで出ているのは聞いていたんですが、なんせ11時過ぎという時間帯が災いして今まで見た事が無かったんです。(勝谷さんごめんなさい)

やっと義理を果たしたような気分になってます。

ところが私のようなものが見た所為かあえなく3月いっぱいで番組は終了。うーん,残念。


▼我が酒蔵のちょっと面白い人々

分析の竹本嬢が??才の誕生日を迎え、日頃世話になっている仕込担当の西田君が(当たり前です彼女まで紹介してもらったんだから)日頃の御礼にプレゼントしたいが何が良いかと聞いたそうです。

彼女の返事はお酒が良いと言うもので,この辺りまでは日頃分析で常に私どもの酒の素顔に上出来の時も不出来の時も接している彼女からすると当たり前の返事に感じられたんです。

ところがこの後面白かったのが,実際にN君が贈った酒。

和歌山の「雑賀」と山形の「東北泉」です。どちらも今評判の酒ですが。「オイオイ,何でうちの酒じゃないんだよ。しかもそれを社長に報告するなよ」なんて。

それで思い出したのが,今年の我が酒蔵の新年会。行き付けの居酒屋で開いたんですが、並んでいる酒は広島の「雨後の月」、愛知の「九平次」、福島の「飛露喜」、長野の「帰山」、山口の「雁木」(今、山口で売り出し中の、うちの酒とはちょっと違う濃醇タイプの、だけど良いお酒です)etc。「獺祭」はテーブルの上には無かった。(ま、ということは、自分も飲んでないんですけどね)

社長の奢りだからこの際興味のある酒はみな飲んでおこうという魂胆が見え見え。だけどこんな連中が私は好きです。

そうそう,最後に竹本さんの二つの酒の評価は「東北泉は名の通りきれいな酒、雑賀は強い酒(アタックの強い酒?)ですね」というものでした。