4月25日の読売新聞配信のニュースによりますと、2000年3月のフランスの日本大使館の酒代が850万円にのぼったそうです。しかもその内訳は、ワインに784万4600円・シャンパンに62万1700円なり、わが日本酒は2万9400円(!!)だそうです。(相手の得意な分野で土俵を作ってどうするの。外交もある意味戦争でしょ。)

ま、そんなことはともかく、「奥の松」の遊佐さんがいつも言うように「海外に酒を売るということは商売だけじゃ無しに文化を紹介することこそ蔵元の使命」という事で、台湾で日本酒を紹介するフェアをやることにしました。期間は7月の15日から25日までの11日間。主会場は今一番台北でもいけてると評価の高いフォーシーズンホテルグループのリージェンツ・フォルモサ・台北です。

ターゲットは最近見違えるほどきれいになった台湾女性で、彼女達に「今の日本の清酒はこんなお料理に合うということを実際に体験していただきたい」ということを目的に企画しました。

この企画の背景はこうです。今まで台湾は基本的に食事とともに酒を飲むという習慣が無くて、酒を飲むというのは一種勝負のようなところがありました。

お互いの目を見ながら「カンペイ」の掛け声とともに一気に飲む。これがどちらかがつぶれるまで続くわけです。これでは「獺祭」のような酒は売れませんね。まだ、「男は黙って○○ビール」の時代なんです。

だけど違う風も吹いてきました。まず、台北市内がここ5年で見違えるほどきれいになりました。それに連れられるように先ほども書きましたが台北の女性がここ数年とてもきれいになったと言われます。

どうやらこういうことのようです。これまではバイク通勤が一般的でしたが、台北市内も地下鉄網が整備されてきました。バイク通勤ですと家を出て勤め先まで他人の視線を気にしなくていいんですが、地下鉄を利用すると他人の目が気になります。このあたりに、最近台北の女性がきれいになったといわれる理由があると事情通は言います。

女性がきれいになるということは女性が自分に自信を持ちはじめ消費の主役に踊り出てきます。そうすると社会が量の社会から質の社会に転換を始めます。その結果として質を主眼に置く日本酒にもチャンスが回ってくるんです。

経験的に「女性がきれいな地域は日本酒が売れる」と考えている旭酒造としては、まさにぴったりと当てはまる地域になってきたわけです。

今ここで台湾に本当の日本の酒を売り込まなくては。

そんな思いで志を同じくする蔵元達10社で日本酒とそれに会う料理を提案するフェア・イベントを開きます。

会場はリージェンツ・フォルモサ台北のレストランと、世界で一番高いビルである101ビル三階のWASABIです。期間中は特別メニューがそれにあった私たちのお酒とともにコースで提供されます。

やるからには「流石、日本の酒が持っている世界は違う」と言わせるものにしたいと思っていますのでご期待ください。また、その頃台湾に出張や旅行のご予定のある方は是非覗いてみてやってください。

最後に参加の蔵元を紹介します。

岩手県「菊の司」山形県「東光」福島県「奥の松」新潟県「麒麟」栃木県「天鷹」石川県「加賀鶴」岡山県「加茂緑」島根県「月山」福岡県「杜氏の詩」山口県「獺祭」

詳しい方はご存知のとおり、酒質もみんな違って面白いでしょう?