結構、うちの酒蔵は他の酒蔵の関係者が遊びにきます。おそらく、杜氏・蔵人制でなく社員(それも社内で独自に育てた)による酒造り方式であり、純米で吟醸しか造らない。しかも年間通年醸造であり、液化仕込などのプラントによる機械的制御に頼った酒造りじゃなく、人間があくまで制御の主体に立った酒造りをしているのに興味を持ってこられるんだと思います。

ちなみにこられた方が酒蔵の蔵元やその二代目の場合は技術的な面まで全てあからさまにしてご案内するようにしています。それは、この逆風化の日本酒業界でお互い苦労している戦友みたいな気がしているからです。特に今度、先代の後を注いで酒蔵をやるんですなんて方が来ると他人事に思えないわけです。

(「そのわりに何も教えん」とうちの後継者候補からは文句でそうですが、あれは養殖じゃなしに天然モノでなくちゃ駄目ですから、「お前も興味があるところに行って自分で勉強して覚えてこい」ですよね)

もっとも、酒蔵の関係者でも、「どこそこの酒蔵に酒造りがしたくて蔵人として勤めています」なんて人の場合はそこの社長か杜氏さんの推薦があることをご案内する条件としています。何度か、こういった方をご案内して感じているんですが、旭酒造の酒造りは純米吟醸酒を教科書どおり造ろうとするがゆえに、反面かなり一般の酒蔵の現場作業と変わっていて、それに拒否反応を見せる方が多いからです。

そんな時、基本ががっちり分かっている方は、なるほどと理解していただけますし、先ほどの蔵元やその二代目などは良い意味の危機感がその反発を抑えて「まず飲み込んで、その後評価しよう」と言う、反面こちらにとっても怖い話ですが、受け入れる体制が出来ているように感じます。

しかし、中途半端に知っている方が問題です。生半可に酒造りを知っているがゆえに余計反発があるようです。そのあたり、どこに反発を感じるか、つまりどこが違っているか、次回の蔵元日記でご説明したいと思います。

(悪い事は出来ない)

先日、品川の本屋の女性向け雑誌コーナーで「大人のOLは漫画に夢中」と書いてあるタイトルが目に付きました。思わず、その女性誌を手にとってたら(女性の流行に敏感になってもいまさらもてもしないのにねぇ・・・)、「社長!!」と言う声が聞こえて、振り向いたら銀座と品川で古酒バー(注)を経営してる上野さんがニコニコしながら立っていました。

ちょっとばつの悪い展開ですが、そこは元ホテルマンの上野さん、「僕も時々見ますよ。今の世の中を知るのに必要ですもんね」と、ナイスフォロー。ありがとうございます。お陰でその場で商品説明と商談まで出来てラッキーでした。

だけど、どこで誰と合うか分かりませんから、悪い事できませんねぇ。(香港でも合ったねぇ。○田蔵元さんも気をつけたほうがいいよ。他でも発見されてるでしょ。某美人蔵元がばらしてたぜ)

(注)先日NHKの首都圏ニュースでも取り上げられていましたが、日本酒の古酒ばかり品揃えしてあるユニークなバーです。実は「獺祭」の古酒も置いてあります。

長期熟成酒バー「酒茶論」 

品川店 東京都港区高輪4-10-18 京急ショッピングプラザ ウィング高輪 WEST 2F Tel / Fax:03-5449-4455

銀座店 東京都中央区銀座6-9-13第一ポールスタービル地下2階 Tel / Fax:03-3573-1141