酒造米の精米時に発生する米ぬかで麺を試作しています。小麦粉で作るうどんやそば粉で作る蕎麦と違って米で作るから「米麺」ですね。
酒蔵の副産物というと酒粕と酒造米の精米時に出る米ぬかですが、旭酒造のように純米吟醸だけの仕込みですと量的にも大変な量になります。要は良い酒を造るためには、「都合の悪い成分」は酒粕と米ぬかに持っていって酒から切り離し、米の中の「都合の良い成分」だけを取り出して酒にする作業が大事になるからです。
旭酒造の蔵内平均精米歩合は41%強。と、いうことは今年の使用酒造米は4百トンちょっとですから約240トンが米ぬかということになります。酒蔵の規模から考えれば常識外れの量が出ます。しかも、その60%は上白といわれ、大手酒造メーカーなどではスーパーなどによく並んでいるパック酒の仕込みなんかにも使われてきた部分です。しかも、しかも、旭酒造は山田錦100%ですから、なんとも上質な米粉なんです。
「これをただの副産物として業者に販売するのはもったいない。酒粕が酒粕石鹸の原料になるように、何とかこの米粉も旭酒造らしいものにならないか?」と、いうことで、その米ぬかの上白部分に北海道産の馬鈴薯のでん粉をつなぎに足して麺を試作しました。
驚いたことに出来上がった麺は、非常に白く柔らかい品の良い甘さを持った麺でした。つまり山田錦の軟質米としての個性がそのまま現れた麺になりました。
この麺の食べ方を募集しております。旭酒造のホームページの以下のページに募集要項を記載しておりますのでどうぞ。
(蛇足)
昭和48年に弊社の最高出荷石数2千石(一升瓶換算20万本)を記録した時の使用酒造米が120トンちょっと、平均精白75%として出た米ぬかが30トンあまり。精米歩合の差と、昔はアルコール添加した酒だけだったのに純米吟醸だけの造りになった現在の旭酒造の酒造りが生み出した差ですが、240トンと30トンのこの差は我ながら一寸驚きです。
出荷石数はまだそのときの2千石という最高記録には到達していませんが、それでこの数字です・・・・・金が残るわきゃないなぁ・・・・・これだけ米を使えば農水省は表彰してくれても良さそうですが・・・・・これだけ現在の農政に批判的だとくれるわけないか・・・・・農水省に好かれるよりお客様に好かれるほうが良いもんなぁ・・・・・これからもよろしくお願いします。