今回は浅草橋近くの蕎麦屋「あさだ」です。実は旭酒造でも酒蔵に来られた方はご存知のように、蕎麦屋を前の川の向こうに計画中です。昔からそばと言えば酒。酒といえばそば。江戸っ子にしてお酒大好き人間の大平由美はどう下町のお蕎麦屋さんを楽しむんでしょう。

それではこちらからどうぞ。

【東京版ミシュラン】

ミシュランのガイドブックの東京版が発刊されました。大反響のようですね。

今回の東京版によると、星付レストランの数はパリについで東京は多く、和食店もたくさんランキングされていました。「これはフランスの文化的格付けに取り込もうとする陰謀だ」とか「フランスブランドの最大の消費者である日本人への配慮である」という意見とかいろいろ聞きました。

でも、大勢は「東京の外食産業のレベルの高さが評価された」という喜びの意見でした。私も素直に喜びたいと思います。世界の先進国観光市場における日本の突出した不人気ぶりの挽回にいささかでも貢献したら良いなぁと思います。

でも、選ばれた和食店の話になると、ワインの品揃えが有る店が有利なんて声が聞こえてきます。中には「あそこの寿司屋って寿司は良いけど酒は○○○しかなくってねぇ」なんて声も。

こんな話になると必ず思い出す光景があります。テレビで見た情景ですけど、外国人のお客様のため、真剣に自分の料理と合うワインを選ぶ京都の老舗料亭の三代目。また、これは実際に遭遇したシーンですが、ある日の都内の寿司屋さん。白人の観光客らしいお客さんが入ってきました。ところがその店はワインの品揃えが自慢らしくてそのお客さん達に赤ワインを進めはじめました。 (偏見かもしれませんが、この店の日本酒の品揃えも大したこと無かったなぁ)

だけど、考えてみてください。たとえば皆さんがミラノに旅行して、ディナーにちょっと豪勢なイタリア料理のレストランに行ったとします。そこでイタリア料理と合わせて日本酒を進められたらどうします。ナショナリズムもあって一杯は良いでしょうけど最後までそれって楽しくないんじゃないですか?せっかくの本場のイタリア料理ならスーパー・サッシカイアでも合わせたいですよねぇ。これ、レストラン側も戦略的にいえば変だと思います。日本全体にとっても不利なことをしていますよねぇ。

最近、お取引の酒販店さんに「とにかく外資系ホテルの和食店とかそれなりのステータスを持つ高級和食店に獺祭の推薦をお願いします。ふぐ刺しの繊細な甘みや牡蠣の芳純な旨みは綺麗な甘みを持つ日本酒でこそ引き立てられますよ」とお願いしています。ここをワインとシャンパンに席巻させておくわけには行きませんから。

そうそう、最後に、イタリア版ミシュランでもフランスワインの品揃えの良いイタリア料理屋に評価が偏向していて、イタリア人はミシュランの評価なんか気にしないそうですね。