「燗酒のむなら、うちの酒飲まなくていいですよ。せっかく一生懸命造ってるのに甲斐がないから」なんて言ってた30代(注1)。 でも40の声を聞くと共に「うーん。お燗も美味いなぁ!!」と日和ってしまい、出し始めたお燗用の獺祭である「温め酒」
飲み頃温度を45度設定としていたんですが、どうも40度ぐらいのほうが美味しい。先日、この蔵元日記の中でも以前登場したことのある元カリスマ美人編集長・Y夫妻(「元」編集長ですよ! 「元」美人じゃありませんよ!!)から「40度のほうが美味しい」と、手料理のご馳走つきでオルグされました。本当にそのとおりで、会社に帰って何度か実験したんですが、同じ結果が出ました。皆様にここに報告するものです。(注2:言い訳にならない言い訳あり)
でも、その「お呼ばれ」の後、ほろ酔い気分で最寄りの私鉄駅まで送っていただき別れ際・・・なんと・・・万歳三唱で改札口で送ってもらいました!!! 私はそのまま駅の雑踏に紛れ込めばいいのですが、あの後Y夫妻はどうやってその場を離れたのか?うーん・・・常習犯か?
と、言うことでラベルの飲み頃温度表示も改正します。よろしくお願いします。
(注1)だけど、今と違って酒といえば熱燗しかなかった時代に熱燗を否定するのは犠牲とするものがありましたよ。だけど必要と思うことは「空気を読め」と言われても言うべきと思っていましたから、言ってました。お陰で紹介される時は「○○の異端児」と必ず言われる時期がありました。
(注2)やはり長い間に少しづつ酒質が変わってきたことも最適温度の変化の理由と思います。それじゃ、なぜ気がつかなかったかと言いますと・・・私のお燗酒の燗のつけ方が気がつかなかった原因と思います。聞いてください。実は最高のお燗のつけ方・飲み方があるんです。
準備するものは、徳利は舟徳利型、うちでは鶴のような細い注ぎ口のついた薄い白磁の磁器を使っています。それと、コーヒーメーカー!?但しドリップしたコーヒーをためるポット部分は外しておいて下さい。最後に肌理の細かな純米吟醸の味と香りを壊さない、のみ口の薄い薄い磁器の大振りの杯。この三種を準備してください。
まず、舟形徳利に入ったお酒を電子レンジで!!30度ぐらいを目指して軽くチンします。そしてこの徳利をそのままコーヒーメーカーのドリップしたコーヒーを保温する部分に置いて、コーヒーを保温する代わりに酒を温めます。コーヒーを保温する加温能力を持ってるわけですから酒の温度はすぐ上昇をはじめます。そのまま飲み始めて、飲み頃の温度を過ぎそうだなと思ったらコーヒーメーカーからおろせばいいんです。
そうそう、大振りの杯に七分目以下に注いでください。杯の縁から上がってくるほのかな香りも楽しいですから。
これで最後まで好みの温度で飲めます。これ、コーヒーメーカーを食卓の横に置いておいて、朝はコーヒーを飲めるし、夜はそのままお燗酒が楽しめる一挙両得の方法です。皆様もお試しあれ。大事な点は好みの舟徳利と杯をそろえること。湯煎しなくても気軽に美味しいですよ。