前回・前々回と書かせていただいた今回のシャモニーのテイスティングセミナーに先立ってフランス人ソムリエの世界チャンピオンであるオリビエ・プシエさんが日本全国の酒蔵を見学して歩いたことはご報告しましたが、フランス訪問時にあのときの日本滞在でどのレストランが印象に残ったかを聞きましたところ「古賀」(山口県岩国市)という答えが返ってきました。
「いや、同じ山口県としてうれしい、地元の誇りだ!!!」(ちょび髭生やして羽織袴の田舎の村長さんスタイルのコスプレで日の丸扇子をかざして小躍りしてる私を想像してください)
いかん、いかん、こんな下らんことを言ってると、「古賀」の大将に「当たり前ですよ。こっちは気合入れてるんですから」と言われそうです。いやぁ、でも、本当に美味かった。鮟肝豆腐の先付けから始まって最後まで「うーん」とうなる美味しさ。(もっとも私のはある一定以上は自分の評価レベルを超えてしまいますので全部「うーん」なんですが)
ミシュランの三ツ星は「わざわざそこで食べるために旅行する価値のあるレストラン」二つ星は「近くを通れば必ず寄るべきレストラン」という選考基準だそうですが、少なくとも山口県内在住および岩国に寄る機会のある方はたずねて損は無いと思います。
で、夜は「おまかせ」のみでお値段はそれなりですから、まずお昼のランチを試されることを推薦します。それも安い方。なんと言っても、このメルマガにも何度か登場した地元コンサートホールの誇る傑物女性館長も推薦の内容で3500円です。 -こんなこと言っちゃって「商売の邪魔するな」って大将に怒られるかなぁ- でも、かの山本益博大先生も「まず安いコースから頼め」と言われてますから。きっと、次は夜のおまかせを食べに来たくなると思いますよ。
老婆心でいえば、「今度はディナーに」というその時は一週間ぐらい前に予約したほうがいいと思います。せっかくですから少しでも気合の入ったお料理食べたいでしょ。くれぐれも「今日、席ある? 適当に、何でもいいんだけど」なんて頼み方をして実力をはからないでください。
食という観点で見たとき、東京と比べて地方の欠陥は魚や野菜などの素材は良いんですが、それに安住して料理に気合の入ってる店の少ないことと思います。そんな意味でここはすごい。実は、昨日、あるアメリカの超有名レストランチェーンの副社長をお連れしたんですが「ここ数年で最高の店」「一見お断りで無ければ知人に紹介しても良いか?」と大将に自分の名刺を渡して聞いていました。
こんな店が増えれば、魅力のある町になる。岩国も基地と補助金の町から脱皮できるかもしれません。美味しいもの食べて「地域おこし」ができる。皆さんいかがでしょう。
「古賀」0827-24-1277
山口県岩国市麻里布町6丁目7-22