「最近、海外で酒売れてる?」と聞かれることが多いんです。確かにサブプライムローン問題以降、海外における景気が急降下しています。悪い情報のほうが人間は耳に入りやすいですから、それをあおるマスコミ報道などによっても皆さん「悪いだろう。酒は売れないだろう」と言う印象をもたれる方が多いようです。
確かに、旭酒造の販売数量で言えば、それまで前年比150%以上で伸びていた海外の実績が今期は累計で120%以下まで35ポイント以上も落ちています。ですから悪いと言えば悪いんですが・・・・・、円高による一時の調整局面で年内にはまた成長軌道に戻るだろうと楽観視しています。
その楽観視の根拠のひとつは、今もハワイの「ノボルレストラン」(注1)という店から酒担当者が来ていますが、ここ最近の海外からの酒蔵への研修ラッシュです。それもほとんどは半日の見学とかじゃなくて少なくとも二日から長い場合は一週間と言う気合の入った研修者ばかりです。
たいていはレストラン関係者か日本酒の販売をこれから海外で職業としていこうという人たち(注2)です。でも、宿泊は酒蔵に泊るとしても高い航空券代を払って、第一仕事を休んで日本酒の勉強のためにアメリカやイギリスから来るんですから気合が入っています。ちなみに、政府の補助金をもらってとかそんなんじゃなくてみんな自費来日です。
そんなうれしい客が毎月二組ぐらいは来ます。そのうち、日本人に彼らが日本酒の講義をする時代が来ると思います。私が海外における日本酒の将来に強気な意味がわかるでしょ。日本酒は、今、世界がほっとかないんです。
(注1)獺祭もおいてある観光客向けで無くローカル客90%のレストランだそうです。
Noboru Japanese Restaurant
808-261-3033
201 Hamakua Drive #102
Kailua Hi 96734
(注2)中にはスペインのムガリッツ(スペイン最高峰の三ツ星レストランと言われる)のソムリエなんかもいて。でも、モノ知らずのこちらは「聞いたことあるなぁ」ぐらいの田舎者丸出しの対応;;;;; 後で聞いてびっくり!!!
【ショック】
最近読んだ本。大前研一の「さらばアメリカ」の中のショックな一節、「リーマン・ショック以降のアメリカは、著者が知っているアメリカではなくなってしまった」そうです・・・・・。
大前研一によると、「(アメリカは)『論理』より『感情』が優先され、言い換えれば一部の利益団体が利権構造の中で人々の不安心理を煽り、世論を操作する国になってしまった」、そうです。
それって、日本そのままじゃないですか。私たちが若いころは、きっと自分たちが大人になるころにはこの欠陥を改革できると思い、なってみると自分たちも同じ社会しか造れなかった、もしかするともっとひどくなった、と言う深い悔恨しか残らなかった、そんな日本の欠陥と一緒です。
しかも、著者によれば、近年こんな国になってしまったから「さらばアメリカ」なんだそうです。じゃ、元からそんな国に生まれ育った私たちはどうすれば良いんでしょう。 しかし、どんなに欠陥有りでも「さらば日本」とは言いたくない。