獺祭の蔵元の日記にあのエヴァンゲリオンの話題が出なくては違反ではないかと思いこれを書いております。この蔵元日記をお読みの方はご存知の方が多いと思いますが、7月から全国のロードショーで封切りされヒットしている庵野英明監督の「エヴァンゲリオン 破」の登場人物である葛城ミサトの好きなお酒として「獺祭」が登場し話題になっています。

実は獺祭は第一作の「序」にも登場し、更に更に前作の「キューティ・ハニー実写版」にも副主人公の南(美人)警部の「これしか飲まない酒」として登場しています。(最初に試写会でそのシーンに出会ったときはイスから転げ落ちそうになりました。あれをコマーシャルベースで広告効果として金額に換算したらいくらになったんだろう?と、言うよりもこの三作の広告換算金額は天文学的金額と思いますが)

ところが、面白いのは今回の登場が一番反響が大きいんです。おそらく獺祭のブランドがある程度浸透していることも大きいと思います。それと、もちろん映画そのものの話題が大きいことが最大の理由と思います。

で、映画の話。凄い!!凄い!!凄い!!!ストーリーはまったく分らなかったんですが、とにかく凄い!!ということだけは分りました。最初に庵野監督のお話を聞いたときインターネットで検索したら「日本の映画界の鬼才」と表現してありましたが「天才」と思います。

更に、で、見に行くべきか? 見に行くべきと思います。あなたが地方出身だったら。東京の郊外出身だったら。都心部出身だったら。(結局全部) なぜなら、映像が懐かしいから。圧倒的なメカニズムの描写とともに、日本の原風景のような田舎の映像が、ぱっ、ぱっ、と入ってきます。とくに今の40代後半から上の方は中学生の頃に見た風景に出会うんじゃないでしょうか?

その点、一般的に考えれば日本的なはずの宮崎駿監督の映像が南ヨーロッパだったり外国の風景が多く実は欧米的なのと好対照です。あの超現代的なというか未来的な映像が「売り」のはずの「エヴァンゲリオン」の中になんとも懐かしい映像が挟まれています。それがリアリティを造って更にメカニカルな描写部分の迫力を増しています。きっと庵野監督という人は少年の心象風景をそのまま抱えて大人になったのかもしれません。その自分をそのままさらけ出しているみたいです。

特に、山口県の中・高年(と、自分で思っている人)は必見です。そして、映画の帰りにはどこか居酒屋によって「ミサトの獺祭」を飲みましょう。(ストーリー? そんなもの、目じゃありません。ただ、ただ、圧倒的な迫力に身を任せてください。「文部省的なもの」と違う「世界に通用する日本の才能」に感動するはずです)