東北地方太平洋沖地震により、多くの尊い命が失われたことに深い哀悼の意をささげます。同時に被災された方々へ、心よりお見舞いを申し上げます。

海外からも温かい支援の声が聞こえてきます。今回の表題は英インディペンデント・オン・サンデー紙の一面見出しです。また、本日のニュースによると台湾のチャリティー特番で21億円超の寄付が集まったそうです。また、あの中国からも「日本加油(がんばれ)」のネットへの書き込みが続いているそうです。

でも、良い話ばかりではありません。日本円の対ドル価格は一時77円台に突入しました。これは「日本は復興のため円が必要になってドルを売って円を買わざるを得なくなるだろうから」という思惑買いのようです。まさに火事場泥棒のような話ですが、これが海外の現実です。

酒蔵に関係する事を見ても、フランス政府はどうやら日本食品の禁輸に踏み切るようです。また、他の国も水際での検疫検査の強化は避けられない見通しです。基本的に国と国の場合、できれば他国の産品は入れたくないわけですから、今回の地震・津波に伴う原発事故は規制強化の良いタイミングなわけです。

酒蔵としては頭の痛い事が続きます。それだけではなしに、停電などによる東京の飲食市場や酒小売店頭への影響、国内全体に漂う沈滞ムードによる需要減も大きなものがあります。しかも、このダメージは長期化しそうです。

しかし、冒頭に記した今回の震災で亡くなった方々・被災された方々に比べたら何ほどのものでしょう。

実は、地震の報道を受けたあと、私たちが今回被害にあわれた方に何ができるか・させてもらえるか、自問自答する毎日が続きました。こちらからテントや寝袋など物資を支援すると言っても、きちんと届くかどうかわかりませんし、こちらが買い占めの片棒を担ぐ恐れもあります。結局お金を寄付させてもらうのが一番という結論に至りました。

しかし、こういう事は自分に痛い位の寄付額でないといけないと思っています。計算方法として、これから一年、売り上げの1%を毎月、前月売上金額に対しての相当金額を関係機関(基本的に国が窓口と思っています)に寄付させていただこうと思います。

おそらく長引く被害の復興という面でも、一時拠出よりこちらの方がより効果的と思っています。また、短期では拠出しきれない金額もこの方法なら出せると思います。おそらく昨年と同じ売り上げであれば1,300万円。地震前の今年の出荷計画で計算すれば1,700万円。これだけの金額を、この市場逆風の中で、また必ず風化する被害記憶の中で、寄付させ続けてもらえるかどうかは、私たちに課せられた試練とも考えています。

ただ、最後にお客様にお願いしなければなりません。企業の売上はお客様と従業員のためにあり(もちろん、大きくは社会のためですが)、それはより大きな幸せ(お客様にとってはさらなる品質の追求)に再投資されるべきものです。その大事な売り上げの一部を東北の被災地のために寄付させていただきます。従業員にも、月曜の朝一番にこの要請をするつもりです。

皆様、よろしくお願いします。

がんばれ日本。がんばれ東北。