◆残念・・・、遅かりし◆
4月半ばの朝、酒母担当の案野君がチョコレートを一つ持ってきました。子ども時代にお世話になった方も多いチロルチョコ。「チョコレートのパッケージに獺祭がのってたんですよ。コンビニのレジ横で売ってたんで、全部買い占めてきました」と言いながら、何個か譲ってくれました。
よく見るとチョコの包装紙が、あのヱヴァンゲリヲン・シリーズ。ミサトが酒を飲んでるシーン。つまり後ろには獺祭がずらり。よく、この小っちゃいのに気がついたなぁ、案野君。
「これ面白いなぁ」ってんで、ちょうど山口にいた寺田君や、東京を回っていた木下君、居酒屋めぐりの作者の大平さんまで声をかけてコンビニを探してもらっただけど、もうどこも売り切れ。他の絵柄はまだ残っているものもあったんですけど。
バレンタインの頃から売り出したそうで、目の早い方が買っちゃったようですね。うーん、残念。。。「チロルさん、もう一度、ぜひ作ってください」
◆震災支援◆
お陰さまで、弊社以外にも今回の震災に対する支援活動の輪が広がっています。聞いているところでは新潟の「鶴齢」、秋田の「まんさくの花」、他にもあると思います。ちょっと御披露します。
◆輸出史上最高◆
諸外国の放射能検疫という圧力の中、青息吐息の輸出・・・実は・・・増えてるんです。おそらく、「日本酒が入らなくなったら」という相手側の観測が無いとは言えないんですが、三月はともかくとして四月も増えてます。その数量と金額は弊社にとって史上最高。
その上、日本側輸出業者や外国側輸入業者からの新規の引き合いも今までで最高の数。外国のマーケットにおいても日本酒が無くてはならないものになっていることを実感。
このピンチこそ日本酒業界にとって分岐点となる大きなチャンス。これを奇貨として、日本酒はますます世界化しますよ。
(ところで史上最高の引き合い社数といっても、「日本酒を海外で広めてやるんだから蔵元は採算度外視でつきあうのが当たり前」みたいな趣味の延長みたいな営業実態だったり、品質なんてどこ吹く風でドライコンテナーで平気で輸送していたり、お願いできそうな業者は最近声をかけてくるなかにはほとんどいないのが現状ですが)
◆ピンチはチャンス◆
四月初旬にある酒蔵の経営者が弊社の酒蔵を訪ねて来られました。ちょうど私が出張中でお会いできなかったんですが、まだ若い蔵元だったそうです。翌日、帰社した私が自宅で「クローズアップ現代」を見ていると、、、「あ、この人、昨日来られた蔵元」と息子が。
前日、「地震で壊れた酒蔵を建て直す参考にしたい」と来られた福島県浪江町の「磐城壽」鈴木蔵元が映っていました。不勉強な私たちはその時初めて知ったんですが、酒蔵は土台を残して全て流され、一家親族皆さん着のみ着のままで避難されたようです。
そんな酷い状況とはおくびにも出されなかったそうです。凄い人が東北にもいますねぇ。
「必ず再建する」とおっしゃっておられたそうです。「ピンチはチャンス」こういう酒蔵は強敵になるなぁ。
◆最後に繰り言◆
海外の通関が切れにくくなっています。外国政府が全く日本政府の発表を信用していないことに加え、基本的に自国保護の立場からなるべくは「疑わしきは撥ねる」方針ですから、通関が厳しくなるのは当たり前です。
その上、相手国の税関もお役所です。その国の政府で決定された方針に対してどんな書類を準備したらいいのか現場レベルでは全く準備できておらず、ただいたずらに港に停めおかれるという事態が散見されます。
その上、その上、やっと、やっと出てきた先方指定書式の証明書や申請書にこちらの国や自治体のサインが出るまで(早い方のお役所で!!)一週間以上かかる。私が読んでも内容を理解するのに5分で済む書類ですよ。
その上、どう見ても「これ必要か?」というような資料まで添付を要求される。もちろん、これに不備があったりこちらの態度が悪いとさらに引き伸ばされかねない。我々は前方の敵だけでなく、後ろから飛んでくる弾も気にしなきゃいけない。それでも行きますよ。
日本酒はきっと国際化します。