糖質制限ダイエットって本当に効果あるの?ということで昨年糖質制限食で獺祭を楽しむ会まで開催した蔵元として、その後の追跡結果発表を。

実は、効果はあるともないともいえそうにない結果です。と、言うよりも検体(つまり私・貫徹する能力)に問題ありということかもしれません。私は175cmで65kgぐらいと一見ダイエット関係なさそうですが、前にばらしたように糖尿体質で二カ月に一度程度、専門の病院で血糖値を測っています。その数値を見ていると、どうしても体重と血糖値は相関関係にあり、体重の増減は無視できないんです。

と、言うことでダイエットという話は気になるところなので、やってみたんですが、、、

その前に糖質制限ダイエットのメカニズムについて少し、、、要は糖質を制限することにより血糖値の上昇を抑え、結果としてダイエットにつながるというものです。まあ、ご飯とかパンを食べなければたんぱく質も脂もいくらとってもOK(マヨネーズもOK!!)という、自制心に欠けている事には自信のある蔵元には夢のようなダイエット法。

ちょっと、抵抗あるのはビールや日本酒はだめで、焼酎や赤ワインなら良いという点。ほんまかいなというところですが、調べてみると例えば焼酎と日本酒の糖質差は一合飲んでご飯一杯の十分の一程度。

まあ、あまりここまでこだわる必要もなさそう。でも、ちょっと気になったのは、ガイドブックでわざわざ食品の糖質表と飲料の糖質表をページを変えてそのあたりの対比をさせにくくしてある点。なんか、焼酎業界とワイン業界から貰ってんだろうか。まぁ、偶然の産物で、こちらが深読みしすぎなんでしょうが。

で、まぁ酒に関してはそんなことで無視して、日本酒は飲みたいだけ飲む、白米やパンの十分の一しか糖質差のない蒸留酒やワインをわざわざ美味しい和食に合わせて飲む必要もないんでそれは無視する事にして、やってみました。まず、最初の二カ月。好きなだけ食べているのに体重が増えない。こりゃあ良いや。素晴らしい。

その時点で、かかりつけの糖尿専門医の先生にこのダイエットの話をすると、「あまり勧められないなぁ」「短期のダイエットとしては効果あるけど、長期的には効果がないという事は昨年の糖尿病学会でも発表されたところだし」と否定的な発言。

でも、現実に効果が出ているわけですからこちらは意気軒高。ところが二カ月を過ぎたあたりから体重が増加し始めました。当たり前です。ご飯とか甘いものを食べなきゃいいんだからと、駅弁を二つ買って、ご飯とデザートだけ残しておかずは全部食べたりしてたんですから。出張中のホテルの朝食ビュッフェだって、前日さんざん飲んで食べてるにもかかわらず、糖質さえとらなけりゃいいんだからと、ハムとソーセージと卵はスクランブルとって、さらに和食のほうに回って焼き魚と出し巻き卵もとったりして、天国みたいなことをしてたんです。

どうも理論とは別にこちらの実行方法に問題がありそうだと思い、詳しい人に尋ねました。すると、「そりゃあもっと努力しなくちゃだめよ」との言葉。ソースや出汁に含まれている糖質にも注意しておかないといけないなどetc、etc。「努力の仕方が足りない」との御宣託。まるで健康食品のセールスみたいな話。

こと、ここにいたって気付きました。これは無理。少なくとも、糖質制限ダイエットガイド本を読んで、焼酎と赤ワインはいいけどビールと日本酒はだめと書いてあるのを見たとき、「それじゃあ、焼酎と赤ワインでフグを食べるのか」「そんな寂しい生活を送るなんてこの人たちには味覚というものがないのか」と思いましたが、同じ話でそこまでダイエットのために気をつけるなんて少なくともぼくには無理。もっとあほでもできる手軽なやり方でなくっちゃ。

あきらめました。

で、ダイエットもあきらめた?

いいえ、あきらめません。良いのを見つけました。それは「つけるだけダイエット」 毎日、100g単位で体重を帳面につける、特に増えているときは前の日に何をしたか・何を食べたか言い訳をつける、というものです。獺祭東京の会にも来てくださったKディレクターの「ためしてガッテン」で特集されたダイエット法です。

これ、人間心理を突いてますよねぇ。毎日つけていると、いやでも今日の体重増加の原因が分かり始めます。毎日データ化してるんですから、いやでも自分のひどい食生活が赤裸々にわかります。結果としてなんとなくコントロールし始めて痩せるというものです。

やってみました。それに、少し糖質制限の考え方も入れて、例えば好きなご飯は食べるけどパンは食べないとか、日和見ええ加減ダイエットです。おかげで元に戻りました。

でも、

今度は、こうすれば、ちゃんと戻るということが理解できたので、また欲望のままにちょっと体重増加傾向にあります。ダイエット法を変えても人間が変わらなければだめなんですねぇ。