9/15配信の「蔵元日記のコメント」編でちょっと説明不足だったようですから、少し補足説明をさせてください。『純米大吟醸が売れている、これって取扱酒販店が一般の消費者に一生懸命語って、飲んでもらい評価された結果では?その酒販店にお酒が行き届かないってどういう事?ってコメントに対しての答えは?』というコメントを頂きましたので。
品不足の根本的な原因は、昨年12月に私が出演しました「ほこ×たて」以降、弊社の出荷能力以上の売り上げが各お取扱店で続いたことが原因と思います。番組放映以後、各お取扱店には前年の数量をはるかに超える商品をお出ししています。決して、数量を絞ったり、お取り扱いの実績があるにもかかわらず恣意的に商品を絞ったこともありません。
ですから、出していないわけではないのですが、それ以上の注文を各お取扱店が受けられていると思われます。その結果が、(そのお店から先のお客様に対し)『お酒が行き届かない』という話に、お取扱店の説明の段階でなってしまうんだと推測します。
また、このような時にありがちな事ですが、通常のお取引の大きな取扱店が優遇され小さなお取引店が冷遇されるということもありません。反対に大きなお取扱店につい我慢してもらうようなことになります。なぜなら、前年実績が一ケースしかないお取引先は一ケース増やせば200%ということになります。ところが、前年実績が100ケースあるようなところにそんなに増やすことなど絶対にできないのです。
事実、今年の初めに私は社内で、「なんで、日頃のお取引数量の小さなところばかり、こんなに数字が行ってんだ。販売数量の大きなお取扱店というのは獺祭と共に本気で歩こうと思ってる酒屋さんで、大きなところこそ、今お客様に対し泣きの涙で割り当てをしているだろう現実が分からないのか?」と出荷担当者に文句を言って、各お取引先への割り当てを平等に直させたぐらいです。
(それでも、ともすると大きな取扱店、私と個人的に仲の良い取扱店、仲が良いだけに品不足の窮状をあまり主張せずに我慢されますんで、つい、冷遇されがちでした。この場を借りてお詫びします。)
まあ、こんなクレームを受けるのもありがたい話で、日本酒が売れないといわれる業界関係者としては幸せすぎて文句は言えない話です。
この状況も、12月には品不足を解消すべく努力を続けています。もう少しご猶予を頂ければありがたいと思います。