最近のイオンの中国米偽装問題とか、数年前の酒米の偽装米のように、どうも米の中間業者さんの行動は問題をおこす事が多いようですが、最近こんな事で頭を痛めております。
山田錦を使った酒を増産し、政治力やコネを使って買い進めたりせず、正当な価格で米市場から買い進めることは、栽培農家にとっても、酒蔵にとっても、お客様にとっても、良い事と思い努力してきましたが、思惑で市場を操ろうとする人々が出てきました。
本来、自由市場において将来的に皆に迷惑をかける事になっても短期的な自分だけの利益を追い求めることは、グレーゾーンと考えられ、やめることを強制することはできませんが、困っておりますとともに憤りを感じております。
以下は最近、関係のありそうなところには配布させて頂いた文書です。
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平成25年10月26日
山田錦栽培農家の皆様
山田錦を使用している酒蔵の皆様
最近、岡山・兵庫の山田錦栽培農家の軒先で、全農および全集連などの正規集荷業者でなく、「獺祭が集めている」と弊社の名前を騙って、山田錦を買いあさる業者がいるという話を聞きます。
これらの業者は弊社・旭酒造株式会社とは全く何の関係もございません。また、現在のところ、弊社に対して何の接触もされておりません。山田錦の品不足を見込んで思惑で中間差益を取ろうとされているようですが、これは真剣に山田錦を酒米ブランドとして育ててきた農家のこれまでの努力に水を差し、弄ぼうとされているに等しいと考えております。
弊社としては、このような業者から山田錦を購入しようとは考えておりません。また、全国の酒造同業者の皆様におかれましても、事情をご賢察のうえ、怪しげなルートの山田錦をご購入されないことをお勧め・お願いいたします。同様に、農家様におかれましても、同様に、ご販売なさらないほうが将来のためとお勧め・お願いいたします。
結局、このような業者がはびこれば、山田錦をさらにブランド化し、最終的には山田錦の価格を正当な価格に導き、栽培農家の農業経営の安定化に向けたいという山田錦生産者と我々酒蔵の正当な努力を無にして、額に汗しない中間業者の搾取を.呼ぶことになります。
こういう業者の方は、「今年は山田錦が足らないから」、買われたとしても、山田錦が豊作で供給過多気味の時、それでもその時にそれなりの価格で買い支えて、農家の経営を安定させようと努力されるということは考えられません。
皆様の賢明なご判断を願っております。
旭酒造株式会社
代表取締役社長 桜井博志