あけましておめでとうございます。

昨年は「米余りの中での山田錦の不足」の結果としての「酒不足」に苦しみ、それを訴え続けた一年でした。結果として、「酒米の減反枠の撤廃」という歴史的な転換を政府は決断してくれました。しかし、業者や他の酒蔵の関心も同時に引き寄せてしまい、今年度の兵庫県産山田錦は一割以上の増産を農業関係者は目指したにもかかわらず、それ以上の市場の思惑買いを招いてしまい、不足をさらにあおるという、自分で自分の首を絞める皮肉な結果を生み出してしまいました。勿論、山田錦の不足は、誰かが訴える必要があったわけですから後悔はしていませんが、その結果として「獺祭が市場にない」という現状を招いてしまった事は誠に申し訳ないと考えております。

また、そんな渦中ではございますが、パリ・凱旋門のすぐ近くに「獺祭Bar23パリ店」を開店する事に致しました。一企業の短期的な都合でなく、日本酒の、日本の、将来を考える時、やるべき事と思って、覚悟を決めての出店です。場所は凱旋門のすぐそば、シャンゼリゼを入ってすぐです。フランス・パリに旅行・出張の節はぜひ、訪ねてやってください。

Dassai Bar23 Paris 4 rue Arsene Houssaye 75008 Paris

そして、只今、本蔵を改築中です。12階建ての酒蔵が完成する来年2/15には5万石の製造能力を持つ予定です。

全てはお客様に少しでも美味しい獺祭を満足にお届けするための、努力であり挑戦です。今年も皆様のご意見・ご叱咤よろしくお願いします。

旭酒造株式会社
桜井博志