この10/1から発売になりましたが、ジャーナリストにしてコメンテーターの勝谷誠彦さんが「獺祭」の本を書いてくれました。個人的なお付き合いも20年近くなる方で、良く知られているー(大失敗に終わり、結果として杜氏制度に頼らない社員造りのきっかけとなった)ー私どもの地ビールレストランを開店した時も一番最初に「それは危ない」「うまくいかない」と危険信号を出してくれ、私がすでにその時点で後に引けないのを見て取ると、それなりに親身な運営アドバイスをくれました。

また、その大惨事ともいうべき痛手から私どもの酒蔵が立ち直り始めたとき、本当に喜んでくれたのも勝谷さんです。そんな彼が「獺祭」というだけでなく私の恥多い人生のこれまでの軌跡をかいてくれました。

のっけの出だしから、(勝谷)「いつの季節でしたかね、あれは」(勝谷)「お宅の蔵は潰れかかってましたね」(私)「勝谷さんも文章で飯、食えなかったじゃないですか」ですからね・・・・・。そりゃ刺激的で面白いですよ。

拙著「逆境経営」で私も自分の事は赤裸々に出したとは思っていましたが、やはり自分で自分の事を書くのは限界があって、どうしても描きにくい事は筆が鈍ります。しかし、そこは「他人の目」、しかも「ジャーナリストの目」です。ちょっと痛いところもつかれて、しかし面白い。

その上、表紙カバーの帯がなんと安倍首相です。「私の故郷山口の山奥で造られている「獺祭」が、今、世界各地で飲まれています。この、地方の力が、日本の底力なのです」とあります。ここまで書いて頂いて、これでこの本売れなきゃ、よっぽど、蔵元の人間性に問題があるか、著者の日頃の毒舌が過ぎるか、、、、、おっと、勝谷さんじゃないが、つるかめつるかめ。

最後に、発売前に盗み読みしたうちの若手の社員が報告してきた、腹を抱えて笑った(私が)感想です。

うちの社員の原文のまま「特に気に入った表現は、」「桜井は酔っ払うと赤くなる。チンパンジーのようだ。」(思わず大笑いしてしまったそうです・少しは遠慮しろ)「宅配便の進化が日本酒に影響を与えたと言うが、桜井にいわれるよりも先に、僕(つまり著者の事)はそうなるだろうと書いていた。」(そのあとに「ほらね」という事は嫌いと書いている勝谷さん面白過ぎ・だそうです)

以上、抜粋で本当の面白さは伝わらないかもしれませんが、「毒舌」のところを読んだ社員の感想が相当面白い。ついでに、それをわざわざ、私に報告してくる社員のメールに腹を抱えて笑いました。

最後に、当該社員には釘を刺すつもりで、きっちりと、返事をしておきました。「それから、社長の赤い顔や腹の出方にはあまり神経を使わないように!!」

◆息子の結婚◆

実は、早耳の方はご存知かもしれません。勝谷さんが徹夜の連続で(本人談)書き上げる事になった原因の、、、私の長男(副社長です)の結婚式。23という数字にこだわって(磨き二割三分)、その月の23日であれば旭酒造にとっては大吉日、「23日であれば仏滅でもやる」とこだわった9月23日。

この日に、岩国国際観光ホテルで結婚披露宴を開かせて頂きました。おそらく、旭酒造の後継者として、これからも皆様にお世話になる人間です。ここにご披露させていただくとともに、これからもよろしくお願いします。

最後に、披露宴の両家親族代表としてのご挨拶でもお願いしましたが、未熟な二人に厳しいご指導と叱咤と激励を、そして、ほんの少しのご厚情をいただけることがあれば望外の幸せです。必ず皆様にご恩返しのできる人間に育ってくれると思います。よろしくお願いします。