先日の10/15配信の蔵元日記に多数の激励のメールやコメントを頂きました。まさに熱いお言葉ばかりです。ただただ感謝しておりますとともに、これだけの厚いご声援を頂いている事に今更ながら、感激しています。

実はこの10月の末は何が起こったんだろうというほど、メディアに取り上げて頂きました。まず、10/25から読売新聞夕刊で三回連載される「開拓者たち」という囲み記事。新聞紙面の三分の一ぐらいを占める結構なスペースです。また、週刊ダイヤモンドは日本の酒特集で、タイトルが「マッサンから獺祭まで、ニッポンの酒、最前線」です。ここで、特別対談に取り上げて頂きました。お相手はあのサッカーの中田英寿さん。ちょうど雑誌SPAの取材でこられていた金子達仁さんと合流するような形で4年前には山口の酒蔵まで来られました。

とにかく金子さんと言えばスポーツライターとしても著名な人、金子さん一人のインタビューを受けるのでも緊張するのに、さらに中田さんまでご一緒でえらい緊張した事を覚えています。

とにかく、彼はそれ以後、日本酒のサポーターとして、沈滞ムード漂う日本酒業界に新風を吹き込んでくれました。個人的には、単身世界のサッカー界に切り込んでいったあの姿。決して日本を忘れないあの姿。日章旗を見上げる彼の姿はしびれましたね。そんな中田英寿さんとの4ページの対談です。是非、手に取ってみてください。余裕のある方は購入して、余裕のない方は立ち読みで!?(あっ、ダイヤモンド社に怒られちゃいますね・Sさんこの項みなかった事に)

そして、10/24発売のゲーテ12月号。特集は「クルマで遊ぶ!クルマでひらめく!」だそうで、ここの「仕事人達の編愛カーライフ」に私も取り上げて頂きました。それも、堂々、表紙に名前が載っています。(必死になって探さないと見落とすぐらい小さくですけど)

中を見ると、トップがあのテニスの錦織圭さんで、続いて世界的指揮者の佐渡裕さん、私の前ページが俳優の武田真治さん、後ページは日米でプロ野球選手として活躍した石井一久さん。まさに粒ぞろい。

面白いのは公平に見て、私の車が一番ぼろ。なんせ、90万円で6年落ちのアルファを買って、それで三回車検を受けているんですから。まあ、記事も何とかかっこよく見せようとするライターさんの苦労の跡が見えます。でも、あんまりクルマ好きにも評価されないこのへんな車が好きなんです。

文中に、「社員にも常々、『私が典型的な高級車に乗るようになったら、その時は会社が危ないと思ってくれ』と話しています」というくだりがありますが、本当はこの前段がありまして、「旭酒造の社長って賢そうな車だったり一般的に評価の高い車に乗ってるようじゃ日本酒業会の殻を破って突きぬけていこうとする『獺祭』というブランドのイメージは保てない。『あいつは馬鹿だねぇ』と言われそうな車でなきゃだめ」というものです。

いつまでも、馬鹿で、優柔不断で、朝令暮改で、獺祭を飲むときのお客さまの顔が(評価が)気になって、心配で心臓まひを起こしそうな社長でありたいと思っています。これからもよろしくお願いします。

◆日本の債務残高1,284兆円◆

ところで、最近、さもありなんと苦笑いした出来事があります旭酒造の周囲5kmで円を描いても全人口3百人程度しかいない、中国地方の山間部の典型的な過疎地だという話は良くすると思います。この過疎地の足の便に「生活交通バス」と名付けられた市営のバスが走っています。月火水金の週4日、一日4往復のバスです。毎日、ほとんど乗客は無しで、乗っていても精々2~3人。全く乗客はゼロで運転手さんだけが乗っているという事も多々あります。

以前、岩国市と合併以前の周東町時代に、「JRの発着にバスの時間を合わせたら」と担当者に話した事があります。「このバスは地域の方の足の確保が目的ですから、JRの時間に合わすことはできません」とけんもほろろ。

その記憶はあったんですが、相変わらず赤字垂れ流しの状況が気になっていた事と。旭酒造の社員数が100名を超えて本蔵が完成すれば200名近くの社員数になりそう。例えばパートさんなんかはマイカー通勤でなくてもバス通勤ができれば助かる人もいるんじゃないかと考えたんです。

毎日30人でも乗ればバスのほうも少しでも赤字解消になる。反対に、会社でバス通勤者には補助金を出してそちらに誘導しても、エコという観点を考えたとき意味がある。必然的に便数も増えますから、地元の足としての住民の利便性も飛躍的に高まります。

そんな事で、市に申し入れをしました。「少し、バスの運行時間をいじってみませんか」と・・・・・御想像のとおり・・・・・「一業者のために運行時間を変えることはできません」と木で鼻をくくった様な返事。 こりゃ、だめだわ。案外、こういうのって、地元の市会議員かなんかが言うと無理難題が通っちゃったりするくせにね。日本の行政の赤字垂れ流しは治らないですね。