先日、経済界大賞の優秀経営者賞を受賞しまして、この1/12に帝国ホテルで行われた授賞式に行ってまいりました。大賞はHISの澤田会長、光栄なことに優秀経営者賞は三越伊 勢丹の大西洋社長、マツダの小飼雅道社長や真珠で有名なTASAKIの田島寿一社長のお三方と同時受賞です。

受賞者挨拶の一分スピーチは以下の内容をお話ししました(お話ししたつもりです)。

(以下、ここからです) 皆様、こんにちは。 ご列席の錚々たる皆様と並んで、本日はこのような栄えある 賞をいただくことができました。 ありがとうございます。

おそらくこんな大それた賞をいただけましたのは、旭酒造が 日本酒業界の常識を超える成長を遂げていることが大きな要 因になったと思います。

しかし、私どもがしてきたことは、特別なことではなくて、製造技術・能力を社外、つまり杜氏に任せるのでなく、社内で持つ、つまり社員が造るとか、冬場だけの伝統的な酒造りではなく、一年中仕込みを継続することにより酒蔵の稼働率を上げるとか、地方市場に固執していては同業者とのシェア競争に引き込まれて生きていけないから大市場である首都圏に注力するとか、日本の「美味しい」を海外に紹介しようと海外に輸出するとか、米余りと言われているけど実際には良いコメ・山田錦は足りなかった。山田錦増産に挑戦した。とか、、、普通の業界では当り前に努力されるだろう、ことを当り前にやった。ただそれだけです。

その意味では、本日の大賞を戴かれましたHISの澤田会長のやってこられたことなど、他業界の先輩方のやってこられたことを勝手に真似たり参考にしながら、やっただけです。

日本酒業界という伝統的な業界だったからこそ、私どものような歩みの遅いものでも反対に注目していただいたと思いま す。

何もわからない「山口の山奥の小さな酒蔵」をここまで教え導いてくださいました諸先輩方に感謝したいと思います。 本日はありがとうございます。 (以上です)

ところが、HISの澤田会長とは翌日のアジア経営者会議でも ご一緒させていただきました(光栄なことにこの会議の講師を仰せつかっていたんです)。その後の懇親会でも講師特権で隣でお話を聞く機会がありました。

すごいなぁと思ったのは、あの18年連続赤字のハウステンボスを引き受けて一年目から黒字にされたことですが、大方の想像とは違って、当たり前で本当は誰でもできるところから始められたことです。「引き受けた当初、なんとなく汚れが目立ったから、きれいにしようと皆に言った」そうです。

おそらく、HISの集客力を持って無理やり…、なんて私たちのようなアホがいかにも考えそうな策をとったら成功しなかったでしょう。また、話題のロボットホテルも、できない理由がいっぱいあったはずですから、澤田会長なくしてできな かったと思います。どこに成功の要因があるか、何をやり通さなければいけないか、分かりつくしておられる経営者という印象でした。

ところで、ほとんど公にされませんが、当初、長崎県との契約で、10年間の固定資産税免除という約束で引き受けられたそうですが、黒字になったんだからと三年目から固定資産税を納付され始めたそうです。男前!!ですね。

ほんとに聞いた時、グッと来ました。というのは、結構知られてる話ですが、旭酒造は以前地ビールを製造しておりました。その免許交付日とスカイマークの認可日が同じ日だったんです。地ビールレストランに失敗した結果として現在の生産体制のある私どもにとって、地ビール免許の交付日は記憶に残る日です。

同じ日にあのHISの澤田さんがが中心になって企画されたスカイマークの認可が下りて、第一便が飛んだのです。出発式のテレビニュースに登場した澤田会長は感極まった様子がありありと見えました。おそらく、国交省と既存業者に免許取得過程で相当横槍を入れられたんだろう、それを潜り抜けてここまでたどり着くのにどれだけの苦労があったか、推察される姿でした。(その後も随分あったんではないでしょうか。結果として、その後のスカイマークの迷走はそのあたりにあると思います)

そんなことが伏線にあって、国や行政に対して、「国民としての義務は果たしても、無用な借りは作りたくはない」ということだと勝手に推察しました。 しっかし・・・、男前!!だなあ。

ところで、兄弟賞のライジング賞には会員制ボディジム「ライザップ」の瀬戸健社長が輝かれました。あの「結果にコミットする」というTVCMで有名な会社ですね。

さすがに瀬戸社長と名刺交換されたい方は列をなしていて、私の倍ぐらい。すごいなぁ。