前回の日記の続きになりますが、熊本地震に際し、なんとか私たちにできることをと考えました。とにかく、熊本というのは吟醸酵母の代表格として全国で広く使われ、私たちもその子孫を使っている9号酵母(熊本酵母)発祥の地です。その意味では吟醸酒の聖地です。この聖地の危機に何とかできないか。ボランティアで行ったって65才のおっさんじゃあ反対にボランティアされそうですから役に立たない。

月並みですけど資金援助の方法をとらせて頂こうと思います。ここ数年、東日本大震災の震災孤児の就学支援とネパールの子供たちへの寺子屋支援を続けています。これは「獺祭磨き二割三分」の売上から一定割合を寄付させていただいているものです。昨年度の実績で2500万円強。ちょっとついていきがたい金額ですが、募金って少々痛いぐらいでなきゃ価値なしということで続けさせて頂いております。

実はありがたいことに、この「磨き二割三分」の売り上げが伸びているんです。150%以上。日本酒にとって決して順風とは言えないこの時期に、本当にありがとうございます。で、この昨年に比べて伸びると予想される金額分を今年一年熊本県に寄付させていただきたいと思います。一年間で1300万円は越す予想です。昨年と同額で東北とネパールの皆さんにはご支援の足踏みさせていただきますが、許してもらえるようお願いします。

もちろん、結果として私どもが窓口となって寄付させていただくんですが、いつもお断りするように、本来このお金はお客様からお預かりするもので、酒蔵の人材教育や設備投資として「獺祭」の品質に反映されお客様にお返しされるものです。ちょっと、横道に流れますが、社会の中でここまで育ててもらった獺祭として、 これもお客様にも長い目でお返しとなる大事なお返しと思ってお ります。

ご理解いただけますことを切にお願い申し上げます。