まさかシェイクの発売発表会に立ち会うことになろうとは。先日12月6日、東京大崎のモスバーガーの本社にてシェイクの新商品発表会に参加しました(私たちの年齢的に言えばミルクセーキという事ですね///この商品分類で私の年がわかりますね)。でも、モスと言えば、「日本で生まれ日本の味を大切にする」ハンバーガー専門店として国内1266店舗・海外410店舗の店舗展開を誇る一大ハンバーガーチェーンです。
要は、今回モスバーガーで獺祭甘酒とバニラシェイクをコラボレーションした「まぜるシェイク 獺祭」が数量限定でこの12月26日から来年2月上旬まで販売されることになり、その発表会に呼ばれたものです。
きっかけは「会長 島耕作」で有名な弘兼憲史先生のお声掛りで週刊朝日の誌上でモスバーガーの櫻田厚会長と対談したことです。平均年齢は70才を超えるくせにちっとも自分の年を自覚せず、青年のつもり???の前期高齢者が三人、言いたいことを話したんですから、編集者は大変!! 苦労したらしいのですが、その対談の最後に弘兼先生から、「せっかくだから二社で何かコラボしたら」というお話が飛び出しました。
「そうですね。何かやりたいですね」と櫻田会長。後で聞いてみると櫻田会長にとってはこの言葉は「やろう」という事なんだそうです。
ただ、モスの商品開発部は苦労したようです。お子様も来られるモスバーガーですからアルコールの残ることは問題なんで、酒とか酒粕が原料としては使いにくい。米粉もモスバーガーとして自信を持って出せる品質まで持っていくには時間がかかりそう。それなのに櫻田会長も私と同じ病気のようで、開発に必要以上に時間をかけることは許容しない。
そんな中から、獺祭の甘酒とバニラシェイクのコラボに辿り着いたようです。でも、一旦この開発が始まると、開発部隊も獺祭の甘酒の特異性にビックリしたようです。弊社側の担当者だったT君のところにも、「なんで普通の甘酒とこんなに違うんですか?」と何度か問い合わせがあったようです。
モスの皆さんもそれなりに市販品等の甘酒というものの品質とはどういうものか概念が出来上がっていたのですが、それらと全然違う。米と米麹だけで添加物一切なし。しかも原料米は山田錦だけで、それを50%まで精米して使っていますから、嫌な味が全くなくて本当にきれいな甘みがある。ここは米の威力と思います。皆さん驚いていましたね。
そして、山田錦が天性持つ米の甘みは乳脂肪と実は相性抜群です。(その証拠に、獺祭の酒粕を使ったアイスクリームが美味しいでしょ) ただ、ここで終わらないのがモスの開発部のすごいところ。なんとか実際の獺祭のキャラクターがこのシェイクに表現できないか、さらに試行錯誤されたようです。結果として、飲んでみると何となく獺祭の風味が感じられる。アルコール0.0%なのに!!
面白いのはノンアルコールビールでも同じ錯覚をされた方も多いと思いますが、飲むと何となくほんわかしてくる。実際、モスの広報資料にはこう書いてありました。「アルコールは使用しておりませんが、アルコールが入っているような味わいに仕上げておりますので、お召し上がりいただくかの最終判断はお客様ご自身で行ってください」
本当に美味しいシェイクですよ。12月26日、全国のモスバーガーの店舗で一斉発売です。ぜひ、お近くのモスバーガーでどうぞ。
【台北のモス】
2002年あたりから台湾に獺祭を輸出したいといろいろ現地で活動し始めたんですが、最初は全くうまくいきませんでした。それは、「台湾にいる日本人をターゲットに売り込もうとする」という安直な戦略もあって、約二年間にわたって努力したのに結果の出なかった拡売努力でした。
そんな中で途方に暮れる私を勇気づけてくれたのが1991年から台湾に進出していたモスバーガー。台北一の高級ホテルと言われるリージェントホテルと日航ホテルを挟んで同じ通りにあるモスバーガーでした。
もちろん自分はそんな高級ホテルには泊まれませんでしたから、裏通りに入ったラブホテルまがいのビジネスホテルに宿泊して台北市内を歩き回っていました。「日本酒は結局台湾に受け入れてもらえないんじゃないのか」と、弱気になることもしばしば。
そんな私の前に、日本のスタイルのまま台湾に出店し、現地の人に受け入れられているモスバーガーがあったのです。どれだけ力づけられたことか。
そのモスバーガーと今回コラボできたことを「人生にこんなことも起こるんだな」と驚きとともに櫻田会長に、そしてきっかけとなった弘兼先生に、「大」感謝したいと思います。
ちなみに、Sサイズ334円プラス消費税ですから、獺祭と名がつく飲み物の中では史上一番安い価格!!です。