IQというのは言わずと知れた知能指数ですよね。対してEQという言葉もありますね。心の知能指数と言われることが多いですね。最近はビジネスで成功する要件として、今までのようにただ頭が良ければいい。IQが高ければいいという考えから、EQの必要性、感情とか共感力そして高い倫理観の必要性が問われる時代になってきました。
ところで、なんで「山口の山奥の~」、ちょっと前まで「~小さな酒蔵」と自称していた旭酒造が日本酒業界で最大の170名以上という製造スタッフを抱える必要が有るかこれで説明ができると思います。(「小さな酒蔵」そのとおり、岩国酒造組合で上から数えて4番目の出荷量でしたからね)
IQは機械で代替することができるかもしれませんがEQは機械で代替できないからです。どこまでも酒造技術を細分化していくとかなりのところまで行けるかもしれません。しかしそのためには途方もない費用が掛かるのです。この部分を獺祭は人が担うことによって今の価格が維持できているのです。
「獺祭って機械とデータで造ってるんだよな(と、見たことないけど誰かから聞いた)(もちろん、その誰かって思い出せない)。つまんない酒だよな」とおっしゃる話を酒関係の方々や自称酒マニアの方々から聞くたびに、頑張っている製造スタッフのみんなの顔が浮かんできて切なくなります。
まあ、そんなの気にしていたって仕方ないわけですが、先日面白い話を聞きました。ヨーロッパのワインやスコッチにも精通しているある食のジャーナリストの方からです。「一つの酒蔵で170人の製造スタッフってすごい!」「ワインにもないし、シャンパンにもないよ。スコッチだって十数人でほとんどの蔵がやっているしね」というものです。ワインでも南米なんかに行くとでかい生産者はいますが、そうするとそれらは相当な機械化が進んでいて日本酒の大手蔵と同じ感じでそんなに人数はいない。
ビールはさすがに生産数量の桁が違いますから機械化していても製造スタッフがうちより多い蔵はあると思いますが、それを除くと「あんたとこが世界一だと思う」という事です。
まさに、獺祭が持っている「良い酒を造る」という方法論が日本独特のものだからこういうことが生まれたと思います。つまり「手間」を大切にするという事ですね。だから人手がいる。しかも、ただ「手間」をかければいいのではなくて、「手間」をかけることにより少しでも良いものを生み出す。「手間」を無駄なものと考える西洋的な考え方では理解できない日本独特の考え方から「獺祭」は生まれたのです。
しかし「製造スタッフ世界一」、ちょっと気分いいですね。
「安倍さんにこんな話したかったな」
安倍さんの県民葬、行ってきます。