☆爺にはニューヨークは寒い
そりゃ、青森程度の緯度なんだから寒いのは当たり前と思われるでしょうけど、それ以上にマンハッタンは寒いというのが実感です。酒蔵のあるハイドパークはマンハッタンと比べて150km程度北にありますから、もっと寒いはずです。実際、2月の寒波の時なんかマンハッタンが-11℃の時、ハイドパークは-18℃でした。しかし、何となく印象が逆なのです。
確かに4月の初めに酒蔵の前にあるスーパーの駐車場に集めた雪がまだ残っていましたから、気温は低いはずです。しかし、晴れた日など日差しの下にいると暖かいのです。ところがマンハッタンはビルが高いから日が差すところが少ない。そのうえ、ビル風が通りを吹き抜ける。体感的には10℃の天気予報だと5℃ぐらいに感じます。先日も、ポキプシーの自宅から出る時、「ダウンはさすがにやりすぎか」と思ったのですが、グランドセントラルの駅に着いたらものすごく寒くて、ニューヨーカーたちもみんなダウンを着ていました。団塊の世代の諸兄・諸嬢はニューヨーク訪問の折には少し厚着を。
☆爺が良いねぇ
せっかくのニューヨークです。ステーキが食べたい。となれば、ブルックリンのピーター・ルーガー。早速行きました。Tボーンステーキも旨い。付け合わせのポテト最高。ちょうど孫が来ていて、焼き加減を聞かれてミディアムウェルダンと頼んだら、テーブルに付いた年配のウェイターが「それは勧めたくない」「焼き加減はミディアムまでが絶対に旨い」「俺を信じろ」「だまされたと思って食べてみろ」とユーモラスに説明してくれる。それが押しつけがましくも嫌味でもない。
見回しても6~70代ぐらいのウェイターばかり。そんな爺さんたちがハツラツと仕事しています。それがとってもいい雰囲気。やっぱり老舗ですねぇ。
☆爺さんの幸せ
時々、一緒にアメリカに赴任している製造スタッフたちと晩飯を食います。ちなみに今はまだ獺祭Blueはできてないんですから、獺祭を飲みたくても日本から出張してくるメンバーがスーツケースに入れて持参してくる数本の獺祭しかありつけないんです。従って飲めるのはビールかワイン。ビールなんかこの2週間で数年分飲んだ気がします。
で、話はビールではなくて、食卓の話題です。最初は業務の打ち合わせや情報交換。これは本当に有効ですね。なかなか分からなかった勘所もノミニケーションすれば一発。
ところがそれもそのうち種が付きますから、出てくる話は私の昔話。やな爺さん!!ですねぇー。ところがスタッフ最年長が40歳、あとは30代と20代ですから、昔の話は知らないんです。獺祭が生まれる前、獺祭が誕生して杜氏さんに逃げられて社員の手で造り始めた頃の話。みんな、入社前の知らない時の話ですからそれなりに聞いてくれます。もっとも「スポンサー特権」で無理やり聞かせているのかもしれません。しかし、話している爺さんのほうは幸せですね。うーん、なんとも良いですねぇ…。