20241017日にモナコ宮殿料理長のクリスチャン・ガルシア氏が来日し、山口の山奥にある獺祭の前を流れる川沿いのテラスにて、ガルシア氏による獺祭ペアリングディナーイベントを開催いたしました。

ガルシア氏は、世界各国の国家元首・皇室/王室の専属シェフが集う国際団体「*Club des Chefs des Chefs」の代表であり、モナコ公国元首の外交の場でもある国賓を招いての公式晩餐会、プライベートや友人との会食等すべての料理を30年以上に亘り、料理長として任されてきました。そんなガルシア氏による、先代のレーニエ3世大公や現職のアルベール2世大公が親しまれたお料理と獺祭のペアリングディナーを開催できたことを誇りに思います。

以下、当日の開催レポートです。

当日は、朝早くからお料理の仕込みを行いました。臨時のキッチンでいつもとは違う設備で動きにくい部分もありましたが、終始にこやかなガルシアシェフでした。

出張料理人 株式会社EIRYO 代表取締役工藤 英良氏と共に仕込みを行うガルシアシェフ。今回、工藤氏には全体的に調理面をサポートいただきました。

イベント前の全体ミーティング、ガルシアシェフをはじめ、会に携わるスタッフ全員が参加し、最終確認を行いました。旭酒造のスタッフ以外にも、全国から調理・配膳のエキスパートに集まっていただきました!

今回、会場はモナコ公国の国旗をイメージして、赤と白を基調としたお花でデコレーションされました。会場の幕なども赤と白で統一しました。

仕込みも佳境に。

蔵周辺もどんどん日が落ちはじめ、お客様も入場しはじめました。

開場してから開宴までの間は、会長の桜井博志が理事を務める「日本センチュリー交響楽団」の四重奏の方々に演奏いただきました。山や川に囲まれた中での演奏は、優雅で素晴らしいマリアージュとなりました。

お客様が皆様ご着席されたところで、開宴です。まずは社長の桜井よりご挨拶です。

お客様への感謝、今回のイベント開催の経緯やモナコ公国との関係などをお話ししました。

駐日モナコ大使である、ディディエ・ガメルダンジェ閣下にご挨拶いただきました。

モナコ公国やガルシアシェフついてのご紹介をいただき、最後に「本日のディナーイベントに参加された皆様がモナコ公国へ来られた際は、歓迎いたします」と締めくくられました。

ご挨拶の後は、ガルシアシェフ、ディディエ駐日モナコ大使、*Club des Chefs des Chefsの創設者ジル・ブラガー氏、会長の桜井博志、社長の桜井一宏の五名による鏡開きです。

皆様には獺祭の法被を着ていただき、「よいしょ、よいしょ、よいしょ!」の日本式の掛け声とともに木槌を振っていただきました。

お三方ともに法被も鏡開きも物珍しいようで、楽しそうなご様子でした。

乾杯は、ガルシアシェフが代表を務める。世界各国の国家元首・皇室/王室の専属シェフが集う国際団体「*Club des Chefs des Chefs」の創設者であるジル・ブラガー氏によって執り行われました。ガルシアシェフの御料理の素晴らしさなどを語っていただきました。

乾杯後、なごやかな雰囲気でいよいよディナースタートです。

お写真は、来賓のジェネヴィーヴ・エドゥナ・アパルゥ駐日ガーナ大使です。

今回の乾杯酒は、人間国宝「今泉今右衛門」の盃に、獺祭の「磨き その先へ」をそそいでいます。

いよいよお食事が運ばれてきました。ガルシアシェフが一品ずつ、御料理についての説明をしてくださいます。

1品目は「現国家元首アルベール世大公のお気に入りの特別版 獺祭23の特別シャーベット レオナルディ社のヴィンテージバルサミコソースと宮崎のJ.CAVIAR 1983 Monaco モナコ公室御用達キャビアを添えて」

出したてのシャーベットはすぐに溶けてしまうほど繊細なつくりです。見た目もお味も素晴らしい一品でした。また、こちらの御料理に使用されたキャビアは、宮崎県のジャパンキャビア株式会社に協賛いただいております。

獺祭を醸造している12階建ての本社ビルにはモナコ公国の国旗をイメージして赤と白でライトアップされています。夜も更けてきて、はっきりと見えるようになりました。

2品目は「フレッシュな雲丹を使った黄金の卵」です。「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 遠心分離」とのペアリングでした。

3品目は「前国家元首レー二エⅢ世大公の一番のお気に入り、世代を超えて愛されるマカロニのシャリュトリューズ グリルマルディ風 日本産伊勢海老を使ったムース仕立て」

海をイメージした作品になります。

こちらは、「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」とのペアリングでした。

4品目は「飛蝉牛のメダイヨンステーキ トリュフ添え」、「獺祭 未来へ農家と共に」とペアリングでした。

5品目は「モナコリキュールの特製チーズアソート モナコ産ビターオレンジリキュールのシトラスモナコ: ロレーヌ産のカマンベール高知県産ゆずピールで風味を添えて モナコの木キャロブのリキュールのモナコグラッセ: コルシカ産ヤギのチーズマロングラッセ」NY蔵でつくっている「DASSAI BLUE Type35」とのペアリングでした。

最後にデザート「モナコ公室 シグニチャーデザート ザ・レモン 獺祭梅酒の風味を加えて」

レモンの前にあるプレートはモナコ公室の紋章です。本物のレモンが皮ごとお皿に乗っているかのように見えますが、まるごと食べることができます。サイドのピンクのジュレ状のものは、獺祭梅酒が使用されています。

コースは以上全6品になります。見た目もお味もパーフェクトなコースでした。

皆様、お食事が終わった後も歓談を楽しまれました。

10/17はスーパームーンの日でした。生憎の曇り空でしたが、一瞬顔を出してくれました。

そしてなんと、サプライズでガルシアシェフ、ブラガー氏より「*Club des Chefs des Chef」から旭酒造の料理への愛と伝統への敬意を表して名誉卒業証書が授与されました。

会長の桜井には、エプロンがプレゼントされました。

最後に会長の桜井の挨拶で会を閉じました。

ディナーに参加された方々を「清水へ祇園をよぎる桜月夜 今宵会う人 みなうつくしき」の句に例えていました。

 

素敵な夜を一緒に作り上げてくださった皆様、ありがとうございました!