文責:旭酒造 広報 藤井 佑南

20241219日、旭酒造 精米所にて「最高を超える山田錦プロジェクト2024」の予審、翌日1220日に結審が行われました。

今年で6回目の開催となりますが、最終的に158件のエントリーがありました。

毎年、エントリー数が増加傾向にあり生産者の皆様へ認知されてきているなと実感しています。

 

■審査員情報

  1. 小嶋 一範 氏 (オジマ カズノリ)

  JA全農兵庫 米麦課職員 

  JAグループ兵庫検査協議会として、指導的立場。標準見本品の作成、米穀鑑定研修会の実施、山田錦検査目合わせ会・技能確認会の実施。

 

  1. 赤木 栄太郎 氏 (アカギ エイタロウ)

  有限会社安田精米 農産物検査員

  検査見本の作製に従事

  酒造好適米は山田錦、雄町の検査実績多数

 

  1. 杉本 百合子 氏 (スギモトユリコ)

  岡山県主食集荷協同組合  農産物検査員

  酒造好適米では山田錦・雄町を検査

 

  1. 池田 直行 氏 (イケダ ナオユキ)

  九州豊和株式会社 統括部長

  酒造用精米業務実績は18年以上

 

  1. 榎本 崇芳 (エノモト タカヨシ)

  旭酒造株式会社 製造部精米チーム責任者

 

■審査項目の確認

 まずは恒例の審査項目の確認です。旭酒造 製造部精米チーム責任者の榎本より、審査基準のポイントを審査員の皆様にご説明します。今年は以下の3点に着目して審査を進めます。

玄米の心白が中心に小さくあること。

②発芽粒等の被害粒や玄米が白く濁る未熟米が少ない事。

③胴割粒が少ない事。

 

※心白とは・・・玄米の中心部分にある白色の不透明な部分。

※発芽粒とは・・・発根又は発芽している粒のこと。

※胴割粒とは・・・粒平面に横1条の亀裂がすっきり通っているもの。

※被害粒とは・・・上記にあった胴割粒や発芽粒などを総称したもの

※未熟粒とは・・・早く稲刈りしたり、気温が高すぎたりする事が原因で、粒の成熟が上手くいかなかった玄米のこと。

審査の前に、お米の良し悪しの基準を定めるため、昨年の優勝米や準優勝の玄米、事前に用意した条件にあった良いお米、被害粒などを集めた悪いお米を並べて、審査員の認識を合わせていきます。

 

■審査開始

今年は、風が強かったため、初めて屋内での審査となりました。自然光での確認ではないため、いつもとお米の見え方が違い、審査員の皆様も苦労されたかと思います。

また、もっと細部を確認するためにライト付きの虫眼鏡をご用意しました。

玄米と一緒に置かれているのは、事前に穀粒判別器で計測した結果です。

穀粒判別器とは、米粒の状態を細かく判別し、鑑定する機械です。整粒かどうか(米穀検査における米粒の区分の一つ。被害粒・死米・未熟粒・異種穀粒・異物を除いた粒のこと。)心白があるか、ないか。を機械を使って数値化したものを、今回の目視審査の参考にしました。

自然光で見てみないと判断がつかない場合は、個々でお米を外に持ち出して審査しました。

屋内の照明だと美白効果のような感じで、お米がきれいに見えてしまうそうで、より自然なお米を見るためにはなるべく自然光で照らすとよいとのことでした。

エントリーのあった、158件の内、29品が午前中の審査を経て、17品が午後の審査に進みました。ここから、結審に残すものを選定していきます。

話し合いの結果、今年は7品が結審に進みました!

 

■結審

翌日の結審では、残った7品を詳細に審査していきます。

屋内で、モニターを使用してお米の細部をみていきます。

無作為に抽出した100粒を拡大して表示させることで、心白の状態などが分かります。

予審同様に、穀粒判別器で測定したデータを活用して、最終審査をしていきます。

参考:農林水産省HP「検査用語の解説」より 

  

■総評

本年度の山田錦は、昨年度よりも発芽粒などが多く見受けられ、粒が小ぶりな産地が多いように感じました。これは、暑さや雨や湿度が影響したのではないか考えられます。

例年以上の暑さや雨の多さに、生産者の皆様は大変な苦労をされたと思います。各々が工夫を凝らして、よりよいお米をつくろうという努力に感謝申し上げます。