日本酒ブランド「獺祭」の酒蔵旭酒造株式会社(本社:山口県岩国市、代表取締役社長:桜井一宏)が2019年から開催している原料米「山田錦」のコンテストの発表会を開催。2021年度のグランプリを岡山県岡山市の生産農家髙田農産が獲得しました。

 

グランプリ 賞金3,000万円

岡山県岡山市 興除地区 髙田農産 様

「受賞できると思っていなかったので驚いたが嬉しい。収穫の頃が暑く気を揉んだがこれからもますます励みたい。賞金は農業機械の購入に充てたい。連覇は絶対に狙いますよ!」

プレゼンターの漫画家弘兼憲史さんよりパネルを受け取る高田正人さん(右)

 

会場には一緒に農業を行っている奥様と息子さんの姿もありました。

賞金を手にガッツポーズの髙田さん、日本の農業にはワクワクするような魅力的な未来があることを見せてくださいました。

酒米「雄町」の生産が有名な岡山県ですが、山田錦もこれからさらに注目されていくことでしょう。

準グランプリ 賞金1,000万円

兵庫県加東市 フジタ精米人(せいまいんど) 菅野 泰彰 様

「特A地区ではないが受賞できたことが誇り。コロナの影響などで落ち込み、あきらめモードが漂っている回りの生産者への励みにもなると思う。」

山田錦の産地として全国的に有名な兵庫県加東市ですが、菅野さんは評判の高い生産地「特A地区」ではないエリアで山田錦を栽培されています。

天候の変化が大きく、「もうあかんわ、出品もやめとこか・・・」と何度も思われたそうですが、堂々の準グランプリ。周辺の生産者さんが奮起するきっかけになってくださることに期待しています。

写真左から、旭酒造社長桜井一宏、会長桜井博志、グランプリ髙田正人さん、準グランプリ菅野泰彰さん、弘兼憲史さん

 

最高を超える山田錦プロジェクトとは

旭酒造と契約する全国の山田錦農家に今までの山田錦を超えるものに挑戦して頂くコンテストを開催。グランプリ米は60俵3000万円という市場価格の約25倍の賞金を贈呈。2019年から始まり3回目の今回、全国11以上の県から50件以上の旭酒造と契約している個人・企業からのエントリーがありました。

今回の大きなポイントとして、評価基準として「獺祭のお酒造りに適した米であるか」という目線が加わったことが挙げられます。

昨年2020年度のグランプリ米は、山田錦としては非常に素晴らしく、大きな心白(酒造りに重要視される、山田錦の中心にある白い部分)が特徴的でしたが、実際にお酒造りを行ってみると、獺祭のように20%以下まで精米する超高精白には向いていないことが判明したのです。

そのため、今年の審査からは「超高精米という、従来の日本酒を超えた品質を作る際に必要な要素に耐えうるもの」という評価基準に。具体的には、心白が小さく中心に入っている米が良いとされました。

審査員のメンバーにとっても今までにない難しい審査会となりました。

コンテストを開催することで、生産者さんが自分の仕事に夢と誇りを持つ手助けになることを願っています。

 

最高を超える獺祭を目指して

2019年のグランプリ米で醸したお酒はサザビーズオークションにて720mlボトルが1本84万円で落札されました。

和食の浸透とともに日本酒の注目度が徐々に上がってきてはいるものの、日本酒を世界にきちんと認めさせるために、ワインを含めた他のアルコールとの文化戦争を乗り越えて行く必要があります。旭酒造は最高の獺祭を造ることで、世界の日本酒の価値を高め、知らしめようとしています。

獺祭なりの方法で山田錦生産者と日本酒の未来を創っていくため、私たちは挑戦を続けます。