伊勢丹新宿店・長谷川バイヤーがNY蔵に来てくださいました。
伊勢丹サイト内【バイヤー探訪記】にてNY蔵の紹介レポートを掲載して下さっています。皆様是非ご覧ください。
※以下はレポート概要になります。動画付きの詳しい内容は伊勢丹サイトをご覧ください。
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【バイヤー探訪記】ニューヨークの酒蔵で触れた世界を目指す獺祭の本気度
2025.2.5 UP
海外のお酒好きに「日本酒といえば」と質問すると、答えとして多いのが旭酒造の「獺祭」という銘柄です。その旭酒造が日本酒を世界に広めるための第一歩として、アメリカで製造、販売しているのが「DASSAI BLUE」。伊勢丹新宿店では日本が世界に誇るモノやコトを取り上げるJAPAN SENSESキャンペーンに合わせて「DASSAI BLUE」の伊勢丹新宿店のみの限定品を特別にご用意。企画担当としてニューヨークの酒蔵まで足を運んだ和酒バイヤーの長谷川豊康に、現地での酒造りや評価などを聞きました。
JAPAN SENSES
□2025年2月19日(水)〜2月25日(火)
□伊勢丹新宿店 本館・メンズ館 各階
※諸般の事情により、営業日・営業時間、予定しておりましたイベントなどが変更・中止になる場合がございます。必ず事前にホームページを確認してからご来店ください。
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白ワインを思わせるフルーティーさが特徴の「DASSAI BLUE」
—獺祭は銘柄が豊富ですがDASSAI BLUEはどんな特徴がありますか。
長谷川:一番の特徴はアメリカの酒米と水で仕込んでいることですが、味わいとしては純米大吟醸ならではの甘みが際立ち、メロンやバナナを思わせるようなフルーティーさです。獺祭は日本でも香り高いお酒として人気ですが、「DASSAI BLUE」はそれがさらにアップしているのは使用しているハドソン川の水質の影響のようで、酵母の活動が活発になったのかもしれないと聞いています。
—味や香り、風味などは日本で仕込んでいる獺祭と違いますか。
長谷川:個人的な意見ですが、フルーティーさはアメリカで製造している「DASSAI BLUE」の方が際立っていると感じました。これは業界用語ではありますが現地のスタッフがハドソン川の水に「米が溶ける」という表現をしていて、甘い香りが強いというのは頻繁にアメリカに足を運んで品質を常にチェックしている旭酒造の桜井博志会長も同じ意見でした。日本の獺祭との違いで言えば「DASSAI BLUE」のアルコール度数は14度で、これは日本の獺祭と比べると2度ほど低い数値です。
―アルコール度数を低くしているのは何か理由があるのでしょうか。
長谷川:度数が16度、17度だと海外の方は少し強く感じるようです。さらに旭酒造が目指しているのは世界標準のお酒になることなので、世界中で愛飲されているワインに近しい度数を意識したそうです。2度低いからといって物足りないかといえばそんなことはなくて、むしろ絶妙な調整だと思いました。
—DASSAI BLUEはアメリカで販売している銘柄ですが、それを逆輸入して伊勢丹新宿店で紹介したいと思ったのはどうしてでしょうか。
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長谷川:伊勢丹新宿店として期待されているのは「新しい出会い」や「思わぬ出会い」だと思います。販売がリカーショップだけでは「DASSAI BLUE」がお酒好き以外のお客さまには広まっていきにくいはずです。ですが目的もそれぞれで、世代もさまざまなお客さまが訪れる百貨店でクローズアップすることで日本酒にあまり興味がない方とも接点が生まれると思っています。
—DASSAI BLUEは伊勢丹新宿店のメインプロモーションである本館1階のザ・ステージで展開されるので確かに多くの方の目に触れるはずですよね。
長谷川:日本酒はカジュアルに飲むイメージがないのでこれまで選んでこなかったという方も多いはずですが、自分も含めて日本酒に携わる仕事をしている人間は誰もが「日本酒を一度は味わってほしい」という想いを強く持っています。日本酒のおいしさを一人でも多くの方に知ってもらう機会は地方からも海外からもお客さまが訪れる伊勢丹新宿店だから作れるはずです。
—世界で勝負している旭酒造という日本酒メーカーの存在を知るきっかけにもなりそうです。
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長谷川:それも伊勢丹新宿店で獺祭を大きく取り上げる目的のひとつです。アメリカに酒蔵を構えて、スタッフも現地で採用して、酒米もアメリカ産で、そこまで完全にローカルで取り組んでいる日本のメーカーは旭酒造だけなんです。クオリティが高く評価され、海外で存在感を増している日本酒があることを知ってほしい。桜井会長も自分たちが海外に進出できているのは日本の愛飲家のおかげだと話していて、恩返しの意味でも「DASSAI BLUE」を日本の方に味わってほしいという気持ちがあり、今回の伊勢丹新宿店と旭酒造の取り組みが実現しました。
日本酒造りに本気の現地スタッフが集まるアメリカの酒蔵
—DASSAI BLUEを伊勢丹新宿店で販売すると決まってから旭酒造のニューヨークの酒蔵を訪問したそうですが、その理由は?
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長谷川:理由としてはふたつあって、ひとつは世界標準の日本酒を造るという旭酒造の本気度、熱意を実際に肌で感じたいと思ったからです。なのでお客さんとして見学をしたわけではなくて酒造りを手伝ったり、現地のスタッフと交流を深めたり、自ら旭酒造の懐に入ったつもりです。もうひとつの理由はリサーチです。「DASSAI BLUE」を取り扱っている小売店やレストランの方の率直な意見を聞きたかったのでニューヨークまで足を運びました。
—旭酒造の本気度はニューヨークの酒蔵から伝わってきましたか。
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長谷川:それはもちろんです。とにかく設備が立派でしたが、その環境にふさわしいぐらいアメリカ人のスタッフが勉強熱心だったことに驚きました。働き方もすごく日本的で、海外は「自分の仕事はここからここまで」と分業制になりがちですが、ニューヨークの酒蔵のスタッフはチームワークも良好でした。みんなで手伝う、助け合うというのは日本酒造りにかかせないことだと思っています。「アメリカで本当においしい日本酒を造りたい」と本気で思っている人たちだけが集まってきていると感じました。
—スタッフとも交流を深めたということですが、印象に残っていることはありますか。
長谷川:ニューヨークの酒蔵では見学ツアーを実施しているのですが、初期の頃は日本人スタッフがガイド役を務めていたそうです。それが自分が訪れた際には現地採用のスタッフが施設を案内してくれて酒造りについても詳しく説明してくれました。それぐらい日本酒に精通していて、「安心して任せられる」と桜井会長のお墨付きでした。
—「DASSAI BLUE」はアメリカではどのように評価されていましたか。
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長谷川:味や品質だけでなく、日本酒文化を広めようとしている活動に対しても好意的な意見が多かったです。味については日本の獺祭クオリティをキープしつつ度数や香りなどがブラッシュアップされているところが特に評価が高かったです。
—品質に対する評価というのは具体的にどういうところでしょうか。
長谷川:日本では当たり前かもしれませんが、アメリカなどでは蔵で飲んだ味わいがそのまま販売されているというのはすごいことのようです。向こうでは出荷したら終わりというブリュワリーも多いようで、流通から保管方法まで鮮度を保ち品質を落とさないための仕組みを築き上げていることは評価されていました。
—日本酒文化を広めようとしている活動については。
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長谷川:現地の方々が口を揃えて「日本酒が身近になった」と言っていました。本気で日本酒を造っているブリュワリーがニューヨークにあるというだけで日本酒文化を広めることに大きく貢献しているようです。
—和酒バイヤーとしての意見として旭酒造の魅力とは?
長谷川:業界の慣習にとらわれず、常に消費者の目線で酒造りをしている印象です。経営者から社員までが「ワクワクするような日本酒を造りたい」という方向性を共有していて、新しい挑戦にも積極的です。クオリティにどこまでもこだわった高価な日本酒ということでは獺祭は先駆けのような存在だと思います。
獺祭をコンプリートできる伊勢丹新宿店のプロモーション
—伊勢丹新宿店ではJAPAN SENSESで獺祭をクローズアップしますが、プロモーションについて教えてください。
長谷川:プロモーションのメインとなるのは本館1階のザ・ステージです。ここでは伊勢丹新宿店限定品である「DASSAI BLUE Beyond the First Step」の他に「獺祭MOON–宇宙醸造」、「獺祭Beyond the Beyond 2024 マグナムボトル」、「獺祭 久石譲ラベル 磨き2割3分・DASSAI BLUE 久石譲ラベル TYPE23 2本セット」を販売します。どれもが限定品いう希少な獺祭です。おすすめは伊勢丹新宿店限定でご用意いただいた「DASSAI BLUE Beyond the First Step」で、2つのこだわりポイントがあります。まず獺祭のニューヨーク蔵においても最高の精米歩合である19%まで酒米を磨くこと、さらに搾りたての味わいを日本の方々にお楽しみいただくために、<SUSgallery/サスギャラリー>の特注チタンボトルで冷凍状態でお届けすること。「DASSAI BLUE」は2024年3月に1度だけ逆輸入で日本に入荷したことがあったのですが、日本中の酒店で販売をされ約26,000本が即完売をしました。今回は伊勢丹新宿店のためだけに特別に輸入をするので、ぜひこの機会に味わっていただきたいです。
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ニューヨークにて約1年半前に本格稼働をした獺祭のニューヨーク蔵で醸造した伊勢丹新宿店限定品。アメリカの米農家が栽培したこだわりの酒米「山田錦」を使い、現地のアメリカ人醸造家と旭酒造から出向した日本人醸造責任者たちが切磋琢磨して協業で造りあげた海外で挑戦する旭酒造の結晶のような日本酒。日本の獺祭に比べて香りがより強く、華やかに感じる。メロンやバナナの心地よい香りが特徴。今イベントに合わせ伊勢丹創業の明治19年にちなみ、精米歩合はこれまでに23%を超えたアメリカ産山田錦の最高精米歩合である19%に。青いSUS製の獺祭用特注チタンボトルに冷凍状態で保管し、搾りたての味わいを楽しめる、新鮮な状態でお届けします。
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人類が月面生活をおくる未来のために。世界で1本、宇宙空間で醸造の獺祭を予約販売。旭酒造の挑戦を象徴するような銘柄で、醸造の一部を宇宙で行う獺祭。宇宙での酒造りはもちろん史上初のこと。月面での獺祭醸造に向け、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟の有償利用制度を活用した宇宙空間での獺祭醸造試験が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)にて2024年7月に承認されました。
「きぼう」の実験装置で地球の1/6である月面の重力環境を模擬し、酒の材料(米(山田錦)、麹、酵母と水)を打ち上げ宇宙空間でお酒の宇宙醸造」を予約販売致します。2025年中に醸造装置を開発し、日本人宇宙飛行士がISSに滞在するタイミングの打上げを目指します。
将来、月に氷として存在すると期待される水を使い獺祭を月面で醸造し、人類が月に移住して過ごす月面生活に、彩りを添える存在になる事を目指した第一歩。「獺祭MOON – 宇宙醸造」の予約販売については、1杯を1.1億円にて販売しその売上は全額を今後の宇宙開発事業に寄付します。
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2019年から旭酒造が開催している山田錦のコンテストでグランプリに選ばれた日本一といわれる酒米で毎年数量限定で仕込まれる「獺祭Beyond the Beyond」。2020年には日本酒としては初めてSotheby’sのオークションで落札された。
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旭酒造の桜井会長は公益財団法人日本センチュリー交響楽団の理事長であり、楽団の音楽監督に久石譲氏が2025年4月に就任することから限定ラベルを制作。イラストを手がけるのは漫画「島耕作」の作者、弘兼憲史氏。日本とアメリカで醸造した同じ精米歩合のお酒を飲みくらべできるセットに。久石譲ラベルのセットは日本では三越伊勢丹限定です。アメリカの「DASSAI BLUE」は日本よりアルコール度数が約2%と低い造りとなっており、香りの華やかさや上品な甘みを感じられる。
今回の限定セットの出荷額の半分を若い音楽家たちへの海外音楽留学の援助金として寄附し、未来の音楽家の支援に繋げます。
—ザ・ステージ以外での展開もありますか。
長谷川:本館7階のレストラン街イートパラダイスと各階の喫茶ではアメリカで販売している「DASSAI BLUE type 35」を期間限定でメニューに加えます。さらに本館地下1階の和酒コーナーにはプロモーションスペースを設けて取り扱いのラインナップを増やしますし、本館1階のイセタンシードでも獺祭を販売します。
DASSAI BLUE type 35の提供レストランやペアリングメニューなど詳しくはこちら
—すべてを巡れば獺祭をコンプリートできるということですね。
長谷川:プロモーションの期間中は館内だけでなく、伊勢丹新宿店そのものが獺祭にジャックされます。懸垂幕からショーウインドウ、地下通路のデジタルサイネージまでが獺祭推しになります。壮観ともいえるので、こちらは見てのお楽しみということで(笑)。
—獺祭を知っている方でも驚きがありそうですし、よく知らなかったという方には間違いなく発見がありそうです。
長谷川:「DASSAI BLUE」に関しては白ワインを愛飲している方なら好みにフィットすると思うので、日本酒はあまり飲んでいないという方もぜひ味わっていただきたいです。獺祭ファンも希少な銘柄と出会えると思いますし、海外のお客さまにも日本酒のおいしさをしてほしい。伊勢丹新宿店のお客さまはブランドや生産者の熱量、物語、モノづくりの背景を重要視する方が多いので、旭酒造の挑戦にもきっと共感してくれるはずだと思っています。
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