獺祭 登龍門DASSAI Artisanal Inception
担当ペア植月 聡也・松井 翔
―今回お二人とも登龍門への挑戦は初めてですね!ずばり登龍門の扉を叩いたキッカケを教えてください。
植月:私自身、将来はアメリカNYにある酒蔵で酒造りがしたいという目標があります。登龍門は米の選定から上槽(搾り)までの工程すべてに取り組むことができるので、目標に向けて酒造りの経験値を上げたいと思い参加しました。
―松井さんは入社して間もないですが、挑戦しようと思った理由は?
松井:入社前から登龍門の存在は知っていました。そして、入社したら登龍門に参加すると心に決めていたので、今回、思い切って手上げました。
―登龍門は二人一組になって、それぞれのペアが考える「獺祭らしさ」を表現しますが、 お二人が考える「獺祭らしさ」とは何でしょうか?
植月:4合瓶(720ml)1本を最初から最後まで飽きることなく楽しめることが、私が思う獺祭らしさです。日本酒は癖のあるお酒だと思われがちですが、獺祭は良い意味で日本酒のイメージを覆すお酒だと思います。
松井:華やかで繊細な香りと、軽快で爽やかな口当たりの飲みやすさが、獺祭らしさだと思います。
―二人が取り組む登龍門。当初はどのような味わいを目標としましたか?
松井:二人とも登龍門への参加が初めてだったので、あえてこだわりやオリジナリティを出すことは意識せずに、とにかく磨き三割九分の特徴である華やかな香りとバランスの良いきれいな甘みを表現することに注力しました。
植月:ちょうど、全国新酒鑑評会への出品酒も造っている時期だったので、自分たちの酒も出品酒にも負けず劣らない良いものにしたいという想いを胸に秘めながら、酒造りに取り組んでいました。
―鑑評会への出品酒と製造時期が重なっていたことが、いい刺激になったのではないでし ょうか。出来上がった酒は、当初の目標どおりの納得のいく仕上がりになりましたか?
植月:目標どおりの味わいを表現できました。きれいで雑味が少なく、スッキリとした余韻を感じる酒に仕上がりました。
―今回使用した酒米「山田錦」は何県産のものですか?
植月:会社の目の前にある「獺祭農園」で収穫された米を使用しています。本来は地域の景観保全を目的として自社管理していた圃場のお米であり、酒造りに使用する予定はなかったのですが、ちょうどタンク1本分の酒を仕込める量が収穫できたので、ちゃんと酒造りに活かしたいと思い選びました。
―獺祭農園で収穫された山田錦には、どのような特徴がありましたか?
植月:地力(その土地が農作物を育てる生産力)の高い圃場で育っているため、米自体にしっかりと味が付いているのが特徴です。
―そんなお二人が造りの工程で苦労したところはどこですか?
松井:もともと米の水分量が高めだったので、洗米時の吸水調整に苦慮しました。その後の製麹工程でも、米の水分を飛ばしすぎたことが原因で、力価(主にαアミラーゼ・グルコアミラーゼなどの酵素)が思うように出なかったところが非常に苦労しました。
植月:私は稲作にも参加していたのですが、酒造りより米づくりの方が苦労しました(笑)
―最後に、登龍門を楽しみにしているお客様にメッセージをお願いします!
植月:磨き三割九分の魅力である、華やかな立ち香と口に含んだときに見せるバランス良いきれいな甘みも表現できたと自負しております。はじめて自社農園で収穫した米から醸した獺祭登龍門を、是非お楽しみください!
松井:自分たちが目標としていた「獺祭らしさ」を表現した酒を造ることが出来ました。 自社農園で収穫した米から造った獺祭というところも魅力の一つなので、滅多に味わえない獺祭を心行くまで堪能してください。