獺祭 登龍門DASSAI Artisanal Inception
担当ペア山本 悟司・多久和 学
―お二人とも登龍門への挑戦は初めてとのことですが、挑戦しようと思った経緯はなんですか?
山本:現在所属している仕込みチームに異動になったことがきっかけで、自身で選定した米から造る酒をタンク1本分仕込んでみようと思い、参加を決めました。
多久和:以前から登龍門は、すごく関心を持っていました。獺祭づくりの工程を一貫して経験できることで、獺祭の蔵人として自分も大きく成長したい思い、挑戦しました。
登龍門のコンセプトである「若き蔵人」とは程遠い年齢(今年で46歳になりました)ですが、気持ちは20代のつもりです!
―登龍門はそれぞれのペアが考える「獺祭らしさ」表現しますが、お二人が考える「獺祭らしさ」はどのようなものですか?
山本:フルーティな香りや上品な甘さがあり、すっきりとした味わいのお酒が、私が思う獺祭らしさです。出来上がったお酒も穏やかな香りがあり、甘味もすっきりとした味わいのお酒になりました。
多久和:私が考える獺祭らしさは、透明感があり、ほどよく甘さのある所だと思います。私たちが造ったお酒も、少し甘さ控えめで、すっきりと透明感のある味わいになったと思います。食事の際、料理の味わいを損なう事なく、とても飲みやすい口当たりです。
―お二人それぞれに思い入れをもって取り組んだ登龍門ですが、造りの工程は順調でしたか?
山本:私は麹づくりが未経験だったので苦労しました。しかし、経験者の多久和さんのフォローもあり、何とか乗り切ることができました!
多久和:造りの工程は終始順調とは言えませんでした。私は製麹と上槽以外の工程は未経験でしたが、ペアの山本さんが洗米と仕込みを経験されていたので、お互いに未経験の工程を補いながら作業を進めていきました。
―やはり未経験の工程は苦労の連続ですよね。。
多久和:そうですね。。酒母に加える麹のお米を蒸す際に、登龍門では初めて和釜を使用したこともあって、目標としていた水分量を大きく下回ってしまいました。
酒母づくりでは、温度管理が非常に難しかったです。小容量のタンクに保温材を巻くのですが、巻く間隔を少し変えただけで温度が上下するところが苦労しました。
他にも仕込みの工程では、追い水を加えてアルコール度数を調整するも、思うように度数が下がらなかったり、改めて酒造りの難しさを目の当たりにしました。
山本:正直、順調だったと胸を張れる工程はありませんでした!(笑)
―色々な苦労を乗り越え、二人で醸した登龍門を楽しみにされている方たちに向けて、メッセージをお願いします!
山本:暑い時期に販売されますので、よく冷やしてからお愉しみください!
多久和:とても口当たりの良い味わいになりました!登龍門はそれぞれのペアによって、味わいに特徴があります。是非、飲み比べて愉しんでいただけると幸いです!